「まだやれるだろ、いけるだろ?」 戦力外から“NPB復帰”目指す右腕とエースの約束
前広島の山口翔は独立リーグ・火の国サラマンダーズへ
地元の熊本に戻り、NPB復帰を目指しているのが昨季まで広島でプレーした山口翔投手だ。今年から独立リーグ・九州アジアリーグを戦う「火の国サラマンダーズ」と契約し、2月1日から熊本での春季キャンプに参加。古巣のエース・大瀬良大地投手との“約束”を果たすため、新天地で汗を流している。
熊本工高時代の2017年以来、6年ぶりに地元でプレーすることになった山口の表情は明るかった。
「すごい都会になってました(笑)。まさか、また熊本で野球ができるなんて嬉しいです。藤崎台(球場)で投げられるのは、なかなかない。盛り上げていければいいですね」
2017年秋のドラフトで広島から2位指名を受け入団。高卒2年目の2019年、5月に1軍初登録されると、同30日のヤクルト戦では先発し、7回を1安打無失点の快投でプロ初勝利をマーク。同年9試合に登板し、将来の先発ローテーション候補として期待された。だがその後は結果を残せず、ここ3年間は1軍登板もなく昨オフに戦力外通告を受けた。
「西武戦(2019年6月6日)で高めの球を簡単に持っていかれた。自信のあった直球が打たれて『より低めに投げないと』と思っていたら、萎縮して腕が振れなくなった。その意識のまま投げ続けてると、自分の良さが出なくなって……。良かった時のフォームに戻そうとしても、体の変化などもあり完璧には戻らない。それの繰り返しで、もったいなかった」