3連覇目指すヤクルトの“大穴” 球団OBが占う守護神争い、0セーブ男浮上の理由

4年目の大西が進化している理由…五十嵐氏との共通点が

「オフ期間中に(米国の施設)ドライブラインのオンライン指導を受けたそうです。そこでの学びはスッと受け入れられるものが多かったようで、ボールの回転数などの数値が良くなっていると言っていました。ストレートやカット、ツーシームなど力に頼る部分は完成度が高く、微調整を加えればいい感じになっていました」

 大西もまた、新たな球種を身につけて投球の幅を広げようとする1人。この春に練習を重ねているのが、五十嵐氏の持ち球でもあったナックルカーブだ。ブルペン入りする前に五十嵐氏にアドバイスを求める場面も。ブルペンでは納得のいかない様子も見せたが、五十嵐氏は「いい球を投げていた」と及第点を与える。

 2人のほかにも2020、21年の最優秀中継ぎ投手に輝いた清水昇投手、新外国人のキオーニ・ケラ投手らが守護神候補に挙がるが、五十嵐氏は開幕時にクローザーを固定しない可能性もあると考えている。

「開幕までにクローザーを固定する必要は特にないのではないかと思います。開幕直後は投手の状態が安定しないこともあるので、試合展開や打者との相性などを考慮して、その時々で最適なチョイスをすることもできる。ある程度、各投手の調子が見えてきたところで、自然とクローザーは決まってくるのではないかと思います。それぞれ良さのある投手が多くいるので、ある程度自由度を持って戦うことも1つの選択でしょう」

 果たして、高津臣吾監督は開幕前に守護神を決めるのか。あるいは決めずに開幕を迎えるのか。いずれにせよ、守護神の座を巡る切磋琢磨は、試合終盤を投げるリリーフ陣の成長を促すことになりそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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