目標のないチームは「群れ」 野球指導の専門家が伝授…団結する集団のつくり方

「神奈川イチ」を実現…目標への強い意識は言語化と文字化

 目標を立てる時、「笑顔でプレー」「チャレンジ精神」といった内容にするチームがある。これは、目標ではなくチーム方針となる。年中夢球さんが学童野球を指導していた時、「全ての面で神奈川県ナンバーワンになる」と目標を決めたチームがあった。大会での成績はもちろん、道具やグラウンド整備、挨拶などプレー以外でも1位を掲げた。

「神奈川イチ」はチームの合言葉となり、普段の練習からグラウンドに声が響いた。「そのグラウンド整備は神奈川イチか?」「その声かけは神奈川イチか?」。目標を強く意識すると、実現しようと行動が変わる。チームは実際に神奈川県大会で優勝を果たし、関東大会で準優勝した。

 年中夢球さんは目標を強く持つには、言語化と文字化の2つが有効だと説く。「神奈川イチ」と声を出し続けたチームは同時に、野球ノートにも「神奈川イチ」と毎日書いていた。文字にする作業は「自分と向き合う時間」になるという。

 注意すべき点は、必ず全選手が納得した目標を設定すること。年中夢球さんは「賛同できない選手がいたら責めるのではなく、どうやったら同じ目標に向かえるか話し合うことが大切です」と話した。1人でも目指す方向が異なれば、チームとして最大限の力を発揮できなくなる。

(First-Pitch編集部)

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