部活動の地域移行問題、持続可能な“モデルケース” 新興チームの画期的取り組み

指導者は現役の中学教師と社会人ボランティア

 部活動移行では、各地で地域のクラブチームをつくろうとしている。だが、思うように進んでいないのが現状だ。大きな課題の1つが、指導者の確保。部活の顧問に代わる指導者として、外部指導員や地元のボランティアを募集しても、知識や経験のある人材は少ない。子どもたちを安心して任せられる指導者を確保するには、当然ながら一定の報酬が必要になる。

 中丹オールスターズでは、審監督がボランティアで選手を指導している。また、現役の中学教師6人ほどと、取り組みに賛同する社会人のボランティアがサポート。中には、自身が勤務する中学校で指導の場がない教師もいる。審監督は「チームは野球をしたい子どもたちの受け皿になろうとしていますが、野球を教えたい教師の受け皿にもなっています」と話す。

 部活動の地域移行で、もう1つの大きな課題が活動資金。外部指導員への報酬以外にも、野球用具の購入や遠征費など費用が必要になる。中丹オールスターズでは1年生は4000円、2年生は5000円の月謝を設けている。硬式野球のクラブチームと比べると3分の1ほどの金額だが、平日のナイター練習や遠征などの費用も含まれている。

 しかも、保護者の負担がほとんどない。お茶当番はもちろん、遠征ではチームがバスを借りるため送迎は不要。練習試合の球審は基本的にチームスタッフが担当し、塁審は選手たちが担う。審監督は言う。

「部活の代わりになる役割なので、保護者には負担をかけないようにしています。塁審は野球の勉強になるので選手に経験させています。チームの予定は選手間で連絡しており、好きな野球を続けるのであれば自立しようと伝えています」

活動資金は地元企業とスポンサー契約…競技普及とチーム強化両立へ

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