野球が上手くなるウオーミングアップ 応用は“マエケン体操”…プロが実践するメニュー

プロ野球選手も取り入れる「TYW」…応用版はマエケン体操

 東京・荒川区の軟式野球チームで指導した際も、野球に生きるストレッチやドリルを選手に紹介し、注意点や狙いを解説した。例えば「TYW」は安福さんが長年指導している基本的なメニューの1つで、プロ野球選手も取り入れている。

 まずは両腕を地面と平行に伸ばし、体全体でアルファベットの「T」をつくる。そして、両方の肩甲骨を内側に寄せる。この時、肘を曲げずに肩を上げないようにして、肩甲骨だけを動かす。

 次に両手を上げて「Y」の形。これも肘を伸ばして肩甲骨だけを斜めに動かす。最後は「W」。両肘を曲げて、胸のやや下にセットする。肩甲骨を後ろに引く動きをするが、腕の形をWから崩さないように気を付ける。T、Y、Wそれぞれ10回ずつが目安となる。

 肩甲骨周りの柔軟性や可動域は投げる動作につながるだけではなく、走る時の腕の振りにも生きてくる。「TYW」を立体的に応用しているのが、ツインズ・前田健太投手の「マエケン体操」だという。

 その他にも、安福さんは「ハーフニーリングレッグ&トランクストレッチ」というメニューも紹介した。右膝を地面に突き、左膝を立てて片膝立ちになり、後ろに伸ばした右足のつま先を右手で掴んで上に持ち上げる。左手は上げてバランスを取りながら背中を反らせる。太腿の筋肉と体幹の連動に狙いがある。

「盗塁も投球も野球はバランスの崩し合いです。ストレッチでバランスが取れなければパフォーマンスは上がりません。全てが野球につながっています」。惰性でやりがちなストレッチにも、野球が上手くなる要素が詰まっている。

○安福一貴(やすふく・かずたか) 東京都出身。プロトレーナーとして、2003年に独立。約20年間、プロアスリートをメインとして、計4000人以上のトレーニングを指導。数年間のインストラクター経験と整体学、整骨学の知識を活かし、プロトレーナーに。元巨人の高橋由伸氏、西武時代の片岡易之(当時、現・保幸)氏をはじめ、多くのプロ野球選手が師事。2016年に東京・五反田にパーソナルジム「STARTUG」オープン。2020年に株式会社スタークレス設立。

○アクセス
東京都品川区西五反田1-17-3 plaza square 五反田5F

○ホームページ
https://startug.jp

○インスタグラム
https://instagram.com/kazuyasufuku57/

(間淳 / Jun Aida)

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