最速151キロ右腕が甲子園で見せた進化 球速より球質…意識が変わった“後悔の1球”
専大松戸・平野大地は常葉大菊川を7安打6K完封
「第95回選抜高校野球大会」第5日は22日に3試合が行われ、第2試合では専大松戸(千葉)の最速151キロ右腕・平野大地投手(3年)が常葉大菊川(静岡)を相手に132球で7安打6奪三振で完封勝利を飾った。90キロ台のカーブを操るなど緩急を使った投球が冴えた。
高校入学後に捕手から投手へ転向した右腕にとって、初めての完封勝利だった。初回、常葉大菊川の2番・勝亦望向外野手(2年)に自らの失策で出塁を許し、3番の岩崎匠悟内野手(3年)に初球を右前へ運ばれた。「自分のミスがあってああいうピンチがあった中で、(仲間)が声をかけてくれた」。すぐに気持ちを切り替え、後続を断った。
4回以降の5イニングは走者を背負っての投球が続いたが、“あと1本”を許さず。「1回、1回、ゼロで抑えるって気持ちで入っているんで、完封という意識はしてなかったです。9回は足をつりかけていたんですけど、自分で抑えたいという気持ちで投げ切りました」と風格を漂わせた。
最速151キロの速球派として注目される右腕。だが、この日は最速146キロの速球に頼ることなく、90キロ台のカーブなどを操り相手打線を翻弄した。「ほとんどのバッターがストレートに合わせてくると思うので、そこでカーブを使えれば、(試合を)楽に進められる」。新たにフォークも習得し、甲子園に乗り込んできた。
「今まではめいっぱい腕を振ってスピードを出しにいくような感じだったんですけど、秋からはリリースで力を入れる練習をしてきました」。ボールが手から離れる瞬間に、指先に力を入れ、「指にかかった回転数の良い球」を投げられるよう意識してきた。