報徳学園の劇勝呼んだ“インズバ5球” 吠えるエースを指揮官絶賛「いい顔つき」
10回1死二、三塁、捕手のサインに首振り超強気の勝負
「ブルペンだと打者がいなんで、まずぶつける相手としてキャッチャーに投げました。もう1回タイブレークを想定して、けっこう(気持ちを)上げました」。無死一、二塁で始まるタイブレーク。送りバントで1死二、三塁とされたが、そこから二飛とカウント2-2からの見逃し三振でピシャリ。最後の三振は、堀のサインにも首を振り、あえて5球全球内角ストレートで勝負し、結果を出して吠えた。
「最後はスライダーとかで振らせようっていうのも良かったんですけど、インコース真っ直ぐに詰まっているような感じだったんで」。気迫を見せながらも冷静に対応したエースに大角監督も目を細める。「いい顔つきをしていました。後に彼がいるのは大きかった」。
まさに頼もしい男だ。「エースとは勝たせられるピッチャー。流れを持ってこられるピッチャー。どういう場面でも、先発で投げても、抑えとなってもゼロに抑えられるのが、報徳のエースだと思っている」と言い切る。連戦で準々決勝となるが「先発よりもあとの方が球数少ないんで、そんなに疲労はないので」とサラリ。与えられた仕事に全力で取り組む姿勢を強調だ。
「最後は適切なアドバイスを思いつかなかったので、とにかく俺を勝たせてくれって。もう生徒たち頼みでした」と大角監督はナインの頑張りに感謝する。盛田は「相手チーム(東邦)も名門、強豪校で、神宮にも出てて、やっぱり強いチームという印象が強かったんで、そのチームに勝てたのはいい流れになったかなと、次の試合にもいい流れを持っていける」と力強く話した。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)