「白紙に戻った」西武の勝利の方程式 強心臓の新人が初セーブ…森斬り左腕も存在感
「友哉に対して真っ向勝負にいったところが成長」
クローザーについては、松井監督が「青山はもちろん、増田も投げていく」と語っている。増田は昨年、終盤の9、10月に調子を落とし、不安を残してシーズンを終えた。1日の今季初登板も、4点を追う9回の調整登板となったが、1イニングを5安打3失点と散々な内容だった。水上も昨年60試合に登板した疲労が残っていないか、心配されているところがある。
一方、新外国人のヘスス・ティノコ投手は、開幕戦の延長10回に“来日初球”の157キロのストレートを宗佑磨内野手に決勝ソロとされる衝撃的な幕開けとなったが、後続を断ち決して悪い内容ではなかった。
そしてもう1人、今年になって俄然存在感を増しているのが、2年目の左腕・佐藤隼輔投手である。昨年はルーキーながら開幕ローテに名を連ね、1軍登板12試合中9試合が先発だったが、今季はリリーフに専念する方針。豊田コーチは「昨年はチーム事情で先発もしましたが、馬力があるのでリリーフに向いていると見ていました」と明かす。1日の今季初登板では、自己最速の155キロを計測し、1回無安打2奪三振無失点。連投となった2日も、1-1の同点で迎えた8回2死三塁のピンチで2番手の水上をリリーフし、森を151キロで中飛に仕留めた。松井監督が「(森)友哉に対して、ああいう場面で真っ向勝負でいったところが非常に大きな成長だと思う」と称賛したシーンだった。
増田、青山、水上、ティノコ、佐藤に加え、実績のある平井克典投手、森脇亮介投手、本田圭佑投手ら、勝ちパターンを担う候補者には事欠かない西武。首脳陣は試行錯誤しながら、どんな“方程式”を練り上げていくのか。今季の新生ライオンズの浮沈に関わるポイントである。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)