ダルビッシュと投げ合った平安左腕が高校野球の監督に “奇跡”をつかんだ一通の手紙
平安時代の2003年夏、ダルビッシュと延長11回を投げ合った服部大輔さん
山梨学院(山梨)が選抜高校野球大会で初優勝を成し遂げた4月1日、かつて甲子園を沸かせた左腕が新たなスタートを切った。春夏通算7度の甲子園出場を誇る滝川二(兵庫)の監督に就任したのは、平安(現龍谷大平安)のエースとして東北のダルビッシュ有投手(現パドレス)と延長11回を投げ合った服部大輔さん。縁もゆかりもなかった兵庫の地で指揮を執る新監督が編集部の単独インタビューに応じ、就任の経緯や目指す野球などを語った。
服部新監督は平安の左腕として2003年春夏の甲子園に出場。夏の3回戦では共に2年生エースだったダルビッシュと壮絶な投手戦を演じ、延長11回0-1でサヨナラ負けを喫した。日大、日立製作所を経て会社員として過ごしていたが「高校野球の指導者として挑戦したい」との思いから、母校や学童野球の練習を手伝っていた。
昨年9月に滝川二の前監督が部員への暴言などで解任されたことを知った。縁もゆかりもない高校だったが「理事長あてに手紙を書いて、自分の熱意をぶつけました。本当にダメもとで……。奇跡じゃないですが、その後に返事があり話が進んでいきました」と、監督就任までの経緯を語る。
高校時代の恩師・原田英彦監督にはすぐに連絡を入れたという。野球人として育ててくれた感謝、そして指導者としての新たな一歩をスタートすること伝えると「根気と我慢だ。頑張ってこい」と、激励のメッセージをもらった。
滝川二ではOB以外の監督就任は初めてとなる。服部氏は現役時代の実績はさることながら、監督を務めるのは学童野球などを含めても今回が初めて。期待と不安が入り交じるルーキー監督は「色んな意見はあると思います。だからこそ、応援してもらえる、愛されるように頑張らないといけない。覚悟はできています」と口にする。