DeNA平良、888日ぶり白星が持つ意味 手術から復帰…“TJブラザーズ”に波及効果も
田中健二朗、東克樹とともに「TJブラザーズ」と称する
一昨年6月にトミー・ジョン手術に踏み切り、オフにいったん育成選手となったが、昨年7月30日には支配下復帰を勝ち取った。2019年に同手術を受けた先輩の田中健二朗投手、2020年にメスを入れた同い年の東克樹投手の存在が心の支えになっている。
3人で「TJブラザーズ」と称する。リハビリ中に様々なアドバイスをくれた2人だが、今度は平良の白星が、2軍調整中の田中、6日に先発する東に刺激を与えそうだ。ひいては、広くTJ手術から復活を期す投手の励みになるだろう。
開幕以来4試合続けて先発投手が早い回に失点し、12球団ワーストの27失点(5日現在)に上っている投手陣全体にも、光明をもたらした。
沖縄・北山(ほくざん)高から2013年のドラフト5位で巨人に入団。しかし1軍では1試合に登板(0勝1敗)しただけで、3年目の2016年オフ、山口俊投手のFA移籍に伴う人的補償でDeNA移籍を余儀なくされた。
2013年のドラフトで巨人に指名された5人(育成は除く)のうち、1位の小林誠司捕手以外、2位の和田恋外野手(楽天)、3位の田口麗斗投手(ヤクルト)、4位の奥村展征内野手(ヤクルト)、5位の平良が全員他球団でプレーを続けている。この日「知っている人も多い中で、また投げることができてよかった」と笑った平良は、移籍がブレークのきっかけとなる好例にもなっている。
沖縄本島北部に位置し人口9371人(2022年4月現在)の今帰仁村(なきじんそん)出身で、「地元から友達、村長(久田浩也村長)が来てくれていた。ウイニングボールを渡せたらと思います」とおどけた平良。改めて“沖縄の星”の1人としてクローズアップされるかもしれない。万感の復活劇は、様々な波及効果を生みそうだ。