DeNAの2連勝呼んだ“1995年組の絆” 完全復活へ…左腕が感謝した「よきライバル」

「楠本とはロッカーが隣で、苦しんでいることはわかっていた」

 7回まで89球で無失点。まだ余力もあった。しかし、1点リードで迎えたその裏、味方打線が2死一、二塁のチャンスをつかみ東に打順が回る。東と同学年で、前日まで今季14打席ノーヒット(13打数無安打1四球)の不振にあえいでいた楠本泰史外野手が代打に指名された。

「楠本とはロッカーが隣で、苦しんでいることは見ていてわかっていた」と東。楠本は巨人の2番手・船迫大雅投手に対し、カウント2-0から真ん中に来た146キロのストレートを一閃。右翼席へ勝利を決定づける3ランを放り込んだ。「ちょっと涙腺が……うるっときました。本人は相当うれしいだろうと思いますし、僕もうれしいです」と東は述懐した。

 試合後は、5回に好走塁で先制のホームを奪った関根大気外野手を含め、同学年3人でお立ち台に上がった。また、前日の6日には、これまた1995年生まれの平良拳太郎投手が、2021年のトミー・ジョン手術後初の1軍登板を先発で飾り、6回無失点で888日ぶりの白星を挙げていた。東は「同級生であり、同じ手術もしているので、昨日の平良のピッチングは自分を奮い立たせてくれました。負けたくない、と思いました」と語気を強める一方、前日にはロッカールームで降板直後の平良と会話を交わし、「巨人打線の情報を聞き、自分のイメージとの擦り合わせを行いました」と明かした。2人の連携が巨人戦連勝に結びついた。

「切磋琢磨してきた同級生は、よき仲間であり、ライバルでもあります」と東は言う。大手術からのリハビリも、不振の苦しみも、仲間がいれば乗り越えていける。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY