“3つの約束”で部員急増 選手が25人から100人超に…保護者の指摘で迎えた転機
笑顔を見せたら「なめられると…鎧を着ていたような感じでした」
選手にストレスを感じさせないように、喜ぶ練習をした。打撃や守備で良いプレーが出た時はもちろん、フルスイングや全力疾走など選手たちの小さな努力や成長にも目を配り、拍手をして大げさに褒めるように心掛けた。
すると、子どもたちの表情や野球に取り組む姿勢が変化していく。自然と笑顔になり、積極的に練習する。その姿を見た保護者が笑顔になり、楽しそうな親子に指導者たちも元気になっていった。周りの目は明らかに変化した。
保護者だけではなく、大会に参加した際の審判や役員も「多賀少年野球クラブは変わった」と口にするようになったという。辻監督は「人を集めようとして指導方針を変えたわけではありませんが、入部希望者が増え始めました。口コミに勝るものはないと感じました」と話す。
全国大会の常連だった頃、辻監督はチームを強くすれば入部希望者が増えると考えていた。しかし、間違いだったと気付いた。「保護者や他のチームの監督が自分より年上でも、野球は自分の方が知っているという変な自信がありました。笑顔を出したらなめられると思って、鎧を着ていたような感じです。選手が集まらなかったのは自分のせいです」。今、チームにいる選手を大事にする。その結果、保護者も指導者も元気になり、部員が増える好循環が生まれている。
(First-Pitch編集部)
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