「直す」ではなく「伸ばす」 鷹が育成方針「ホークスメソッド」を発表した狙いと背景
王会長が語る指導論「“直す直す直す”じゃない。“伸ばす伸ばす伸ばす”」
これまでは指導者個々の考えに基づいて指導が行われていた。ただ、そうなると、指導者によって考えや指導が違い、受け止める選手たちも混乱、困惑する。指導者が変われば、方針が変わり、一貫した指導ができなくなる。プロでもそれは同じで、ホークスは現在、1軍から4軍まで指導方針を一貫させ、1人の選手に対しての指導が指導者ごとに異ならないようにと取り組んでいる。それを子どもも含めたアマチュアチームにも落とし込んでいこうとしている。
この「ホークスメソッド」で打ち出された7つの指導方針は以下のようになっている。
1. 選手をよく「観」よう
2. 「長所」を見つけ、伸ばすことを助けよう
3. 「気づき」を与え、自ら考えることを促そう
4. 小さな「成功体験」を重ねて、やる気を引き出そう
5. 「競争」や「挑戦」を通じて、成長を加速させよう
6. 過去の経験や知識にとらわれず、「学び」を続けよう
7. 周りと連携し、みんなで「育成」しよう
王会長は、中でも長所を伸ばすことを大事にする。「癖を直すというのは難しい。むしろ長所を伸ばす方が結果的には上達の近道なんじゃないかと思っている。基本的に今までのコーチは“直す直す直す”なんだよ。直すんじゃない。“伸ばす伸ばす伸ばす”、教える方がそう思わないとダメだね」。柳田のフルスイング、甲斐のスローイング、周東のスピード……。ホークスでは一芸に秀で、それを突き詰めた選手が大成している。