「直す」ではなく「伸ばす」 鷹が育成方針「ホークスメソッド」を発表した狙いと背景

三笠GM「プロとかアマとか言っている時代でもないかなと」

 これには三笠GMも「3軍制をやってきて、長所を伸ばすことを何よりも大事にしている。弱点を潰すというより長所を伸ばすというようなことは、僕も申し上げました」と同調する。さらに「もう1つ大事なポイントとして『主役は選手である』というところはホークスとして大事にしたい。フロントでも監督、コーチでもなく、選手が主役だということです」と付け加える。あくまでも主体は選手。指導者が上から押しつけるように指導するのではなく、選手が主体性を持って自ら問い、学べる指導体系にすることが大事という。

 プロ野球球団であるソフトバンクだが、今回のメソッドはジュニアチームなどの育成年代の指導者にも向けられている。三笠GMは「我々でアプローチできることとして、プロアマの壁とかいろいろありますけども、ユース世代にも貢献したい。野球人口が減ってる中で、アマチュアとも共存共栄で、プロ野球球団ができることをやっていくことが大事かなと思っております」という。高校生、大学生の年代にもプロ野球球団として何らかの貢献ができないかも模索している。

 日本球界にはプロアマ規定が存在し、プロとアマの間にはまだ垣根が残る。三笠GMは「ノウハウと熱意を持ってる人なり組織がやれることを100%、120%やっていくことが求められている。そうしないと野球は他のスポーツや習い事との比較で選ばれない時代。とりあえず野球をやろうという時代では全くない。プロとかアマとか言っている時代でもないかなと思いますので、そこは共存共栄でやっていきたい」と球界の慣習に一石を投じることにも期待する。

「野球振興にプロ野球球団として貢献することを考えたときに、やれることの1つとして、我々はどういう考えで育成をしてきたのかをまとめて、披露して、実践をしていくというようなことをやることによって、日本の野球界全体の発展に貢献できるんじゃないか、と考えました」(三笠GM)と策定、発表された今回の「ホークスメソッド」。今後もブラッシュアップを重ね、指導者の考えの根幹となる方針、理論にしていく。

(First-Pitch編集部)

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