スピードガン以前に非公式の「155キロ」 自慢は超爆肩…高校で驚きの“異常行動”

オフは自宅から学校までの片道16キロを「走って帰った」

 自宅から高校までの16キロは毎日、自転車で往復したが「高校2年の冬、オフシーズンの11月、12月、1月、2月の4か月は毎日、帰りは走って帰った」という。「これも監督に言われたからだったけど、走った距離を足していけば16、32、48と増えていくわけでしょ、そうするとその数字が面白くなった。『おっ、名古屋まで走った。おっ、京都まで行った』ってね」。

 これらのトレーニングを継続し、やり遂げたのは大きな自信になった。もちろん下半身強化にもつながった。「おふくろが仙台(出身)なんだよね。東北人の粘り強さを俺はもらっているって、いつも思っていた。おふくろは余計なことは何も言わず、仕事をよくやる人だったしね」と鈴木氏はしみじみと話す。

 いくら能力があっても、努力なしでは成り立たない。何よりも、やってみせるという意気込み、気持ちが大切だ。「勉強もそう。俺は中3の夏の模擬テストで500点満点で199点だった。成東に行くには300点は必要だったから、人生で一番机に向かったよ。進学校で野球も強かった成東に絶対行きたかったからね」。

 家は精肉店。父からは県立の成東に合格しなければ家の仕事をやれと、私立を受けさせてもらえなかった。そんな中で合格を勝ち取った。振り返れば、その経験も後々のマウンドでの精神力の源になったのかもしれない。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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