選手が涙「勝てないチーム辞めたい」 脱・勝利至上主義を掲げた学童野球チームの再挑戦

目指しているのは勝利“追求”主義「自ら考え実行できる環境を提供し続けたい」

 競技野球と、遊びの延長の野球はどちらも「うまくなる」ことが楽しさにつながる。意識していることは“言語化”と“自主性”だ。「やらされる練習ではなく、自分たちが必要と感じた練習をすることを大切にしています。それが必ずしも子どもたちの課題に対して正しいアプローチではないかもしれませんが、よしとしています」。試行錯誤を繰り返すことで「人生を生きていく中でも大切な力」もつくと考えている。

 今年1月に元々所属していた法人から独立。新たに横浜Jブルーウインズとして活動を始めた。現在は、練習場所の関係もあり、明確なクラス分けはしていないが、5月から自由参加の練習日を設け、レベルに合わせた指導を行う。

 目指しているのは、勝利至上主義ではなく、勝利追求主義。「野球を楽しむ要素の1つに勝利があると考えています。勝利を追求するプロセスの中で得る野球の楽しさ、難しさ、面白さ全てを成長の材料にしてほしいと考えています。その中でチームコンセプト『没頭・思考・一歩踏みだす』ことができる環境を作り続けていきたいです。私たち指導者も日々学びながら、試行錯誤中です」。

 競技人口が減少する今、勝ちたい人も楽しみたい人も参加できるチームの増加が野球界を支えていくのではないだろうか。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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