3年目で覚醒…衝撃数値の阪神右腕、活躍目立った好打者 セイバー目線の3、4月セMVP
貧打の中日…本塁打数、得点率はチーム最下位
今年のプロ野球でスタートダッシュに成功した選手をデータで探り出し、「月間MVP」をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録が用いられる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選べば、公式に発表されるMVPとは異なる選手が選ばれることもある。
まずは3、4月のセ・リーグ6球団の月間成績を振り返る。
○DeNA:16勝7敗
得点率3.52、打率.250、OPS.681、本塁打15
失点率2.84、先発防御率2.65、QS率56.5%、救援防御率2.59
○阪神:13勝10敗1分
得点率3.58、打率.239、OPS.651、本塁打12
失点率2.83、先発防御率2.83、QS率58.3%、救援防御率2.06
○広島:12勝12敗
得点率3.38、打率.241、OPS.658、本塁打20
失点率3.21、先発防御率2.75、QS率45.8%、救援防御率2.84
○ヤクルト:11勝13敗1分
得点率2.52、打率.195、OPS.557、本塁打14
失点率2.94、先発防御率2.99、QS率40.0%、救援防御率2.37
○巨人:11勝14敗
得点率3.46、打率.238、OPS.658、本塁打23
失点率4.19、先発防御率4.26、QS率40.0%、救援防御率3.45
○中日:8勝15敗
得点率2.43、打率.238、OPS.600、本塁打4
失点率3.06、先発防御率2.97、QS率65.2%、救援防御率2.23
DeNAが球団新記録の4月月間16勝をマークした。昨年8月に月間18勝をマークした際も横浜スタジアムで強さを誇ったが、今年もホーム開幕戦に敗れたものの、その後9連勝をマークした。阪神も盤石投手陣と打撃陣の噛み合わせがよく、3つの貯金を作っている。両チームとも得点率3点台、失点率2点台だ。
ヤクルトは開幕から10試合連続で3失点以下と投手陣が奮闘。17試合で10勝6敗1分けと4つの貯金を稼いだ。要因として初回得点率が40%と、打てないながらも初回に得点して優位に試合を進め、投手陣が守るスタイルで勝ちを重ねた。しかし4月22日から歯車が狂い始め、7連敗。月間打率.195は12球団ワーストだ。
中日はヤクルト以上の打率、OPSを記録しているものの本塁打が4本と群を抜いて少ないため、得点率はヤクルト以下となっている。投手陣は先発、救援ともに防御率2点台と健闘しているが、長年の課題である長打力不足は解消されていない。