14歳が逆方向へ100メートル弾 関東大会V呼んだ主砲…衝撃の一発生んだ“2つの練習法”
狭山西武ボーイズの左打者、市村心は大田スタジアムで左越え弾
ボーイズリーグの春の東日本王座決定戦「メニコン杯 第26回日本少年野球関東ボーイズリーグ大会」は4日、東京・大田スタジアムで中学生の部の準決勝と決勝が行われ、狭山西武ボーイズが初優勝を飾った。決勝の武蔵嵐山ボーイズ戦で、「4番・一塁」で出場した市村心内野手が初回に先制の左越え2ラン。両翼97.6メートルの球場で放った逆方向弾は、日々の練習の賜物だった。身体の開きを抑える“正面ティー”を取り入れ、常にフライを打つことを心掛けているという。
出場180チームの頂点を決める一戦で、14歳の左打ちの主砲がいきなり衝撃の一打を放った。初回2死二塁で迎えた第1打席。カウント0-1からの外角低め直球をとらえた打球は左翼フェンスを越えた。「打った瞬間に行くと思いました。完璧でした」。
左打者の市村が放った左越え弾に、巨人と広島でプレーした福井敬治監督も驚きを隠せない。「凄いホームラン。試合の流れをこちらに持ってくる一発でした」と称えた。
小学生では「スワローズJr.」に選出され、中軸を任されたスラッガー。現在のサイズは175センチ、82キロ。分厚い胸板が努力を物語る。「ダンベルを使ってトレーニングしています」。パワーに加えて、野球IQも高い。初球が変化球だったため「真っ直ぐを狙っていました」と胸を張る。
中学生がプロ規格の球場で放った逆方向弾。衝撃の一打を放った裏に工夫がある。「常にフライを打つ練習をしています」。打撃では、ボール下半分をヒットするように意識。高く上がる打球を打つことを体と意識に染み込ませている。
もう一つはティー打撃。自身の正面からトスしてもらったボールを打つ。「胸を投手側に見せないように意識して打ちます」。身体の開きを抑える練習を日々重ねたことで逆方向アーチが生まれた。
武蔵嵐山ボーイズは同じ埼玉県西支部に属するライバル。昨秋の大会でコールド負けした相手に初回に見舞った本塁打はチームに十分すぎる勇気を与えた。関東王者の主砲が今後どんな成長曲線を描くか、注目される。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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