考えすぎて牽制悪送球 「盗塁で傷口」の意識が裏目…5敗目に助っ人「反省だね」
5回88球に「球数がかさんだ」
4回にも先頭の岡に右前打で出塁を許すと、続く平沢の初球に走られ、遊撃手の滝澤夏央内野手の捕球ミスも重なり、一気に三塁を陥れられた。無死三塁の窮地に立ったが、ここから踏ん張った。平沢を内角のツーシームで詰まらせ一ゴロに仕留める。続く田村龍弘捕手は四球で歩かせたものの、藤原をツーシームで投ゴロに打ち取り、三塁走者をタッチアウトに。続く池田にはボールが先行しカウント3-0となったが、コーナーを丁寧に突きながらフルカウントまで盛り返し、最後はカットボールを打たせ右邪飛に仕留めた。
松井稼頭央監督は「エンスは球自体は強くて、よかったと思います。盗塁を警戒しすぎると、リズムを崩してしまうところがあるので、走者をケアをしながらも、打者と(ストライク)ゾーン内で勝負していくのが一番いいと思います。牽制悪送球がありましたし、走られる時もあるでしょうが、その中でよく粘ってくれたと思います」と評した。
助っ人投手は一般的な傾向として、日本人投手に比べるとクイックが苦手で、走られやすい投手が多い。エンスも例外ではないが、練習は重ねている。何よりも、来日1年目の昨季に2桁の10勝を挙げた実力者だけに、盗塁を過剰に警戒するよりは、たとえ走られても、後続の打者を打ち取ればよしと考える方が、トータルでプラスに働くのかもしれない。
「今日は状態も良かったし、全体的にまとめられたと思うよ。ただ、3回の満塁の場面で打たれてしまったのは反省だね。相手打線は積極的に打ってくるだろうと思っていたけれど、思いのほか際どいコースを見られてしまって、球数がかさんでしまったよ」と5回88球のピッチングを振り返った。次回、エンスと相手打線の駆け引きに注目したい。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)