ボールを「浅く握れ」はNG? 最速155キロの指導者が推奨…球速アップを導くコツ

遠投とキャッチボールは“別物”「同じフォームにする必要はない」

 イベント参加者からは遠投についての質問もあった。小学校5年生の息子がキャッチボールと遠投でフォームが異なり、遠投では肘が下がっていると悩む保護者がいた。「気にする必要はありませんか?」という問いに対して、内田さんは練習の目的が異なるため同じフォームにする必要はないと回答した。

「ピッチング、キャッチボール、遠投の投げ方は全部違うと考えています。ピッチングはキャッチボールと違って傾斜があります。遠投はキャッチボールと球の角度が違います。あえてイコールにしない方が、投球動作のエラーが出にくいです。遠投をピッチングに生かす選手もいるので、自分に合った方法を選べば良いと思います」

 内田さんは遠投には体を大きく使う目的があり、キャッチボールとは「別物」ととらえている。ただ、肘が下がる投げ方は怪我につながるリスクがあるため、改善するようにアドバイスした。

 少年野球チームに入ると、投げ方や打ち方の指導を受ける。ところが、握り方を教わらずにプレーしている選手は意外と多い。練習メニューの“王道”とも言える遠投も、何となく習慣で続けている選手も少なくない。小さな動きや練習にも意識を向けると、大きな成長へとつながっていく。

(間淳 / Jun Aida)

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