広島初の“特命コーチ”…使命は未来の強打者育成 見逃さない「子どもの目が光る時」
子どもたちの「変わっていく姿を見るのは楽しい」
浅井氏はうれしそうにこう話す。「教えている瞬間に子どもの目が光る時があるんですよ。『今、何かわかったやろ』って言ったら『はい!』と言って笑顔になるんです。子どもって絶対伸びしろしかないから、必ず変化してくれるんです」。
浅井塾は1週間に1回の指導を5週にわたって行うのが1セット。「子どもたちの変わっていく姿を見るのは楽しいですよ。えらそうに教えているのとかじゃなくて、成長していく過程の中に携われたらって思ってやっています」と言って、また笑みをこぼした。
浅井氏は17年間の現役生活や13年間のコーチ生活で培ってきたことを、取捨選択しながら子どもたちに伝えている。質問も受け付けて、一緒になって考えている。「自分がやってきたことを感じ取ってくれれば、ありがたいです。自分がやってきた価値が少なくともあるわけですからね」。
1期生が高校2年生。強豪高校に進学した選手もいるそうで、将来は浅井塾で学んだ経験者がプロ入りするケースも十分あるだろう。「もちろん、僕自身もそのくらいの思いでやっています。やっぱり一瞬でも携わった人が、そうなってくれたらうれしいですよね。どんなちっぽけなことでも僕がやったことで上達してくれたらね」。まさにやりがいしかない。浅井氏は、子どもたちの指導に全力で取り組んでいる。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)