「ギャップを把握すべき時期」　3軍選手が1軍練習に参加…西武が描く“育成術”

平石ヘッドが仕掛けた打撃問答「自分のポイントって何だと思う？」

　打撃についても平石洋介ヘッドコーチからアドバイスを受けた、というより“打撃問答”を仕掛けられたようで、「『打撃とは何か？』『自分のポイントって何だと思う？』といった感じで、3軍では教えてもらえないような、すごく深い話をしていただきました」と言う。

　福岡・九州国際大付高出身で捕手の野田は「主にブロッキングを教わりました。1軍の柘植（世那捕手）さん、古賀（悠斗捕手）さんはさすがだなと思いながら、野田（浩輔）バッテリーコーチから捕球の仕方などを教えてもらいました」と明かし、「（ワンバウンドの投球は）下に落とさなければいけないのに、僕はまだ前の方へ弾いてしまうことが多い。それでも、今日で少しはうまくなった気がします」と笑った。

　育成選手の野村は、嶋重宣1軍打撃コーチからアドバイスを受け「『自分がどの方向へ、どういう打球を打ちたいかを思い描きながら練習していけば、いつか1軍で打てるようになるよ』と言っていただきました」と目を輝かせた。

　球団にとっては、選手が“2軍慣れ”して、イースタン・リーグの試合では結果を出せるのに、1軍に行くとからきし──という悪循環にはまるのも怖い。青木チーフは「今後も継続的に行っていきたい。今回は新人野手3人でしたが、投手や2、3年目の選手にもこういう機会を設けることができれば」とうなずいた。プロ野球選手になった以上、“ファームの帝王”で満足するようになってはいけない。

（宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki）