急場で任された大役…冴えた“別の物”の宝刀 阪神の10連勝阻止した30歳の底力
チェンジアップは「投げ方を試行錯誤した結果“別の物”になった」
本田はこの日、4イニング計68球を振り返り、「中継ぎの1イニング×4というつもりで投げました。一昨年まで先発で良かったわけではないので、ある程度結果が出たリリーフのイメージのまま行く方がいいと思いました」と明かす。
ここぞの場面では、チェンジアップという伝家の宝刀を抜いた。1点リードの3回は、1死二塁でチームトップの打率.324を誇る1番・近本、同2位の.311の2番・中野拓夢内野手を迎えるピンチ。近本をカウント1-2から空振り三振に斬って取ったのも、中野に二ゴロを打たせたのも、昨年威力を増した110キロ台のチェンジアップだった。本田は「困った時には、自信のある球種を選択した方がいい。チェンジアップはそれまでも投げてはいましたが、昨年握りを変えたり、投げ方を試行錯誤した結果、“別の物”になったと思います」と説明した。
過去に先発経験も豊富だけに、スタミナ的には5回以降の続投も可能だった。しかし、8年目の30歳は「相手打線が3巡目となれば、とらえられる確率は上がりますし、ずっと先発をやってきたわけではないので、4回無失点でスパッと代われてよかったのではないでしょうか」と冷静だった。投手として幅を広げ、よりチームから信頼される存在になったことは間違いない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)