日本ハム支える23歳“怪力”スラッガーに成長の跡 セイバー目線で選ぶパの5月MVP

オリックス・宮城大弥【写真:矢口亨】
オリックス・宮城大弥【写真:矢口亨】

3勝、防御率0.30の日本ハム加藤貴之を上回った投手とは…

 投手の評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。上位ランキングは以下の通りとなった

○宮城大弥
RSAA:6.56、登板4、イニング29回1/3、防御率1.23、WHIP0.92、奪三振率7.36、奪空振率10.9%、QS率75%、HQS率75%

○佐々木朗希
RSAA:5.10、登板2、イニング11、防御率1.64、WHIP0.45、奪三振率17.18、奪空振率21.1%、QS率50%

○加藤貴之
RSAA:4.92、登板4、イニング30、防御率0.30、WHIP0.77、奪三振率5.10、奪空振率6.2%、QS率100%、HQS率75%

○西野勇士
RSAA:4.393、登板4、イニング27、防御率1.67、WHIP1.00、奪三振率5.67、奪空振率4.8%、QS率75%、HQS率50%

○山岡泰輔
RSAA:4.392、登板3、イニング17、防御率2.12、WHIP0.94、奪三振率8.47、奪空振率14.3%、QS率66.7%

○東浜巨
RSAA:4.21、登板4、イニング27回1/3、防御率4.61、WHIP1.28、奪三振率8.56、奪空振率8.8%、QS率50%、HQS率25%

○山本由伸
RSAA:4.18、登板3、イニング21、防御率2.14、WHIP0.86、奪三振率9.43、奪空振率10.8%、QS率100%、HQS率66.7%

 日本ハムの加藤貴は月間3勝、防御率0.30を記録し、NPBによる公式の月間MVP最有力候補である。魅力は四球の少なさ。5月も打者109人に対してわずかに2つだった。全投球に対するストライクゾーンを通過する割合「ZONE%」も60%と他の投手を圧倒している。その加藤貴がRSAAランキング3位で、それを上回ったのがWBCでも活躍した若手2投手だ。

 佐々木朗は2試合11イニングの登板ながら、39人の打者から21個の三振を奪い、その率53.8%。つまり半数以上の打者から三振を奪っている。奪空振率も21%、スイングされたときの空振り率「Whiff%」も40%と驚異的だ。

 その佐々木朗以上のRSAAを記録したのが、オリックスの21歳左腕・宮城だ。5月の登板は4試合ともビジターだったが、3試合でHQSを記録。そのうち5月9日の楽天戦では被安打4、奪三振6、与四球1で今季チーム初となる完封勝利を達成した。イニングイーターとしてオリックス投手陣に大きく貢献した宮城を、セイバーメトリクス目線で選ぶ5月のパ・リーグ月間MVPに推挙する。

実績ある浅村、柳田以上の得点を叩き出した日本ハムの23歳

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