プロ野球選手がホストクラブでまさかの“修行” 銀座のママを「しゃべりで喜ばせろ」

黒田博樹氏のプロ初勝利を演出…2軍で打ち込まれた直後に1軍に推薦

 川端氏らがホスト役になるという、何とも型破りな試み。「ママさんたちには店のオーナーがそういうことをするので、ちょっと辛抱してくれって言っていたそうだけど、僕らがホストみたいにうまくできるわけがない。しゃべれなかった。結局、40分くらいで降参。ママさんたちは笑っていたけどね。まぁ、あれもいい経験かなぁ……」。

 川端氏が1軍投手コーチの時は、2軍でも成績が今イチだった黒田博樹投手を安仁屋氏が1軍に推薦した。「1軍は三村さんが監督で、安仁屋さんは2軍監督。4月終わりの巨人戦の先発がいないということで、三村さんから『安仁屋さんに誰がいいか、聞いてみろ』と言われて、どこだったか忘れたけど試合中に電話したんです。すると安仁屋さんは『黒田でいこう』って。僕が『黒田って、この間の2軍戦で打ち込まれてますよ』と言っても『大丈夫、大丈夫、行け、行け』ってね」。

 この安仁屋案が通って1997年4月25日の巨人戦(東京ドーム)で当時ルーキーの黒田投手はプロ入り初登板、初先発。1失点完投勝利をマークした。これが後にメジャーリーグでも活躍する大投手となった黒田氏の記念すべき1勝目だ。

「僕に黒田を推薦した時、安仁屋さんはたぶん酔っていたんじゃないかな」と川端氏は笑いながら続けた。「黒田はあれから始まりましたよね。安仁屋さんの発想はとにかくすごいんですよ」。ほかにも、いろんなことを教わったという。その影響は大だった。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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