オリ新戦力は「馴染む力がありすぎる」 宗も衝撃…イケメン捕手が掲げる“信条”

「意見交換して、改めて自分の考え方を伝えることで、ようやく相手に理解してもらえる」

 投打二刀流の“スーパースター”から得たのは技術力向上だけではなかった。「僕はプロに入ったとき、めちゃくちゃ意識していたことがあります。先輩の話を聞くことに没頭していました。まずは、その人(の考え方)を知らないと始まらない。そこで共感できるか、少し違うなと感じる。その瞬間に、ようやく自分(の考え方)を知ることができる。意見交換して、改めて自分の考え方を伝えることで、ようやく相手に理解してもらえるんです」。真っすぐな目で話を続ける。

「よく言うじゃないですか。広く浅くか、狭く深くか、なのか。僕は『広く深く』を心掛けています。本当にいろんなことが知りたい。どんどん吸収させてもらって、成長していきたい。僕が思っていた以上に、オリックスの選手たちは人が良すぎて、この感じ(雰囲気)で馴染ませてもらっています」

 試合前にはスタメン出場する選手の緊張を解き、得点した際には一緒に喜びを分かち合う。「僕一人で全てを変えられるわけではないですけど、そのきっかけになれたらなと思っています。ムードを作る時は、誰かが1発目に踏み込まないと。例えば負けているとき、ずっと停滞している雰囲気で楽しいわけがない。タイミングと場面を見て、盛り上げられるような心掛けはしています」。先発投手がイニング間に行う、ベンチ前のキャッチボール相手を務めたり、本塁生還した選手をベンチ最前線で迎えて祝福したり……。背番号37は、どこにでも“出現”する。

 移籍1年目のシーズン。27歳は、周囲への感謝を忘れない。「みんなが、僕の性格を理解してくれるのが早かった。『こいつ、イジって大丈夫だ』と(笑)。すごくありがたいです。良い人が多すぎて僕、どんどんチームにのめり込んでいます」。明るい性格の石川の周りには自然と選手が集まってくる。「僕は“かまちょ”なんで(笑)」。ノリノリのキャラクターも愛される理由だ。

 プロ入り10年目。経験も豊富になってきた。「チームの雰囲気がボーンと落ちているときでも、向きを変える必要がある。次の日、また次の日って記憶を更新していかないと。シーズンはアップデートの連続で強くなれる。ちょっとしたメンタルの切り替えで(守備で)1歩前に出れたり、ヒットが1本出たりする。そういう精神的なサポートは誰にでもできる。野球の技術以外の面で勝敗を変えられる可能性がある。僕はそういう人間でありたい」。サラッと力強い言葉で、説得する。

 甘いマスクの“2枚目”は「初めて聞いたわぁ(笑)。2枚目って、どういう意味ですか?」と照れながら言葉の意味を聞き返す。そんな“3枚目”のキャラクターもこなす。決して、誰もができることではない。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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