村上宗隆を圧倒した衝撃の“配球術” 3打席3三振…西武の剛腕が仕掛けた頭脳戦
村上との全3打席は、初球とウイニングショットが違う球種
3回1死一、二塁のピンチで迎えた第2打席は、カウント2-2から、5球目の外角低めのスプリットをファウルされたが、6球目にはもっと低く、ワンバウンドとなるスプリットを振らせて三振。6回先頭の第3打席には、フルカウントから内角高めへの渾身の150キロ速球を振らせ、結局3打席全て空振り三振に仕留めた。
3打席とも6球の勝負だったが、初球は各打席違う球種で、全てボールから入り、ウイニングショットも第1打席はカットボール、第2打席はスプリット、第3打席はストレートとパターンを変え、村上に的を絞らせなかった。
平良は「本当はストライクから入りたかったのですが、ホームランには気をつけて、全部まばらに投げました」と説明。球種やコースが偏らないことに気を使ったというわけだ。圧倒的なパワーを備えた村上と平良の“頭脳戦”は実に興味深かった。
惜しむらくは打線に活気がなく、最近6試合は全て2得点以下で、計9得点にとどまっていること。チームは交流戦単独最下位になった。松井稼頭央監督は「平良を援護できなかったが、交流戦残り6試合、なんとか打線が奮起して、と思います」と唇をかんだ。なんとか好調の投手陣の失点より1点でも多くもぎ取りたいところだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)