稲葉GMが「どうしても見たかった」 大学選手権にいた“ハムの恋人”…1日だけ視察のワケ
地元北海道に現れた快腕は“勢い”が魅力…相手は侍常連の完成度
滝田は初回、2死からの長短打でピンチを背負ったものの、そこから立ち直り無失点のイニングを重ねたのを、稲葉GMは「自分のペースにできていた」と高く評価した。5回に自らのバント処理が遅れたところから崩れ、5回5失点で降板した。
「打者・稲葉」には、投球はどう見えたのか。“邪魔になりそうな”ボールはあったのかと聞くと「チェンジアップを左打者にも、右打者にも投げられているし、直球は手元の強さがある。勢いや強さというものをすごく感じました」。まだまだ粗削りなところはあるが、スケールの大きさを何より評価している。
一方の大商大・上田は、最速154キロを誇る右腕。コールド勝利となった7回までマウンドを守り、被安打は初回の先頭打者に許した1本だけの1失点と好投した。3年生だった昨年も「侍ジャパン」大学代表入りし、オランダ・ハーレムで行われた国際大会で登板している。
稲葉GMは「コントロールがいいし、フォークもカットボールもいいところに決まっていた。右打者の内角にもしっかり投げ込めているし、自分の投球パターンをしっかり持っている」と完成度の高さを評価。「勢いや強さ」の滝田とは、また違った言葉で称えた。
敗れた滝田は「まだまだ色々な部分をレベルアップしなければ」と悔しさいっぱいのコメントを残したが「固いマウンドのほうが好きなんですよね。(リーグ戦では)札幌ドームの試合もあったので、これだけ投げられたと思う」とプロでの伸びしろを感じさせるような言葉も。大学生投手は、プロの視点から見れば即戦力との期待がかかる。伸びしろか、完成度か。チームをつくっていく立場となった稲葉GMは今後、他の候補も含めどんな選択をするのだろうか。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)