ボール握らず猛勉強…「偵察」で強豪に入部 プロの扉開いた“非エリート”の計画力
大学を一度中退し龍谷大に入学、厳しい練習に食らいつき1年生でベンチ入り
当時、龍谷大の部員は野球推薦者しかいなかったという。「どうしたら野球部に入れるか?」。1か月間グラウンドを“偵察”するなど奔走し、最終的には監督に「入部させて下さい」と直談判。快く受け入れてもらい、晴れてスタートラインに立つことができた。
当時の4年生にはエースに柳瀬明宏(元ソフトバンク、阪神)が在籍。投手キャプテンとして練習メニューを決める立場にあり「地獄のようなランニングメニュー」を課せられていたという。それでも必死に食らいつき、ヘロヘロになりながらもランメニューを終えてから、ブルペン投球やバッティングピッチャーを務めた。
半年後には1年生ながらベンチ入り。その後も中継ぎ、先発としてフル回転し、大学4年間で2度の神宮大会出場を果たした。1年間のブランクがありながら大学で活躍できた要因を「センスはなかったが、野球を諦めることだけはしなかった」と振り返る。
中学、高校、大学と努力を惜しまず着実に力を付けた前田さんは大学卒業後にBCリーグ「福井ミラクルエレファンツ」のトライアウトに合格。1年目から開幕投手を務めるなど25試合に登板し8勝11敗、152奪三振(奪三振王)、防御率2.63の成績を残し、わずか1年間でドラフト指名を受けることになった。
野球を始めた中学生時代は「一番下手」だったと振り返る前田さん。信頼できる指導者に出会い、夢を諦めなかったからこそ実現できたプロ入り。野球を続けている子どもたちに向け「絶対に投げやりになってはダメ。自信を持って、続ける努力をやってほしい」とエールを送っている。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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