MLBが日本で開く小学生の大会は何が違う? 元選手がうらやむ「球宴のような雰囲気」
2016年の創設から8年目を迎えた「AIG presents MLB CUP 2023」
MLBが日本で少年少女向けの大会を創設し、2016年の第1回から今夏で8年目を迎える。日本リトルリーグ野球協会との協力のもとで、小学4、5年生を対象とした「AIG presents MLB CUP 2023」がそれだ。今回を含めのべ1万5400人が参加してきた大会は、日本人の元メジャーリーガーが関わっているのが大きな特徴だ。
全国12地区の予選を勝ち上がったチームが、7月28日から30日にかけて、宮城県のセイホクパーク石巻、鷹来の森運動公園の2会場に集まり、トーナメント方式でファイナルラウンドを戦う。4日に都内で行われた壮行会には、上原浩治氏、岩隈久志氏という元メジャーリーガーが登場。更にエンゼルスの大谷翔平投手を初めとする現役選手も、子どもたちにメッセージを送った。
昨年は大会期間中に球場を訪れ、野球教室を行った岩隈氏は「ホームラン競争があったりとか、メジャーリーグのオールスターゲームのような雰囲気で……。とても元気よく、楽しみながらプレーしていましたね」と印象を語る。
また「女の子もプレーしていて、一緒になって野球できるのがうれしかった」「速いボールは速いし、打てる子は遠くへ飛ばせる」とレベルの高さにも目を見張った。
メジャーリーグへの憧れが野球人口の拡大にもつながる?
「正直、この大会のことは知らなかったです」という上原氏は、自身が少年時代は軟式でプレーしていたこともあり「僕は軟式に注目してきたので、うらやましいなというところ。日本だけでなく、世界につながっているのもうらやましい」と口にする。
さらに、今後の発展形として「(ファイナルラウンドへの出場を)30チームにして、メジャー30チームのユニホームを着たりしても面白い」と続けた。
出場する子どもたちは映像で意気込みを語り、ビデオメッセージで登場した大谷も「選手たちの熱いプレーを楽しみにしています」と笑顔を見せた。
MLBではこの大会の開催以外にも、5月から6月にかけては日本全国の8か所で、元日本人メジャーリーガーが指導する野球教室を開催。マック鈴木氏、牧田和久氏、五十嵐亮太氏らが参加した。上原氏は「僕らが小さい時に、こういうのがあれば……」。毎年のように日本人選手が海を渡り、OBもまた増え続けている。元メジャーリーガーとのふれあいで憧れを育むのもまた、野球人口の拡大につながりそうだ。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)
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