日本ハム今川優馬が説く「マンガ」のススメ 大型選手に対抗するために磨いた“知識と熱量”
日本ハムの今川優馬が「継続する力」を得た練習とは
日本ハムの今川優馬外野手は、小、中学校と地元・札幌の軟式チームでプレーし、腕を磨いた。苦しい日々もあったという中で、支えになっていたのが幼少期から親しんだ野球マンガだという。様々な工夫を続け、遅咲きながらプロまでたどり着いた方法論を、明かしてくれた。
札幌市で育った今川は小学校3年の時、軟式の「山鼻イーグルス」で野球を始めた。「厳しいチームでしたね。ランニングや素振り、腕立てや腹筋と、家に帰ってもやるように課題が出るんです」。当時は嫌々ながら取り組んでいた。毎日右と左の素振りを200回ずつ、さらに30分くらいのコースを作って近所を走るといった自主練習をしていた。玄関には取り組みをチェックする「達成表」を貼っていた。今考えると、この日々は大きな力になっているという。
「当時はやらされていましたけど、継続する力ってそうしないとつかないと思うんです。小さい頃から、習慣にしていないと身につかない。やらされる練習に意味はないと言われるかもしれませんけど、そういう意味は間違いなくありました」
今川の野球人生は壁だらけだった。その中でも意識改革を迫られたのが、東海第四高(現・東海大札幌高)に入学したときだという。
硬式経験のある大型選手に対抗するには…「正攻法では勝てない」
「周りは(硬式)シニアの有名選手ばっかり。僕は体重が60キロしかなくて、ガリガリでした。大きい選手には正攻法では勝てないので、技術を徹底的に磨こうと思いました」
当時は投手兼内野手。変化球の投げ方や、プロ選手の映像をむさぼるように探した。「バッターの構えから打ちやすい球、打ちづらい球が分かるようになるとか、そういう工夫も楽しかったですね」。
試合に出られないことも多い中でなぜ投げ出さなかったのか。今川は「野球が好きだから」というものの、その大きなきっかけとなったのが「マンガ」だという。「僕は『キャプテン(ちばあきお作)』を読んで育ったんです。だから高校の野球部は、もっとボコボコにされるところかと思っていました。実際には全然違いました」と笑う。他にも「MAJOR(満田拓也作)」や「ダイヤのA(寺嶋裕二作)」がバイブルだった。
「野球をやりたいという思いって、マンガからも得られると思うんです。それが強ければ練習への熱量も変わってくると思うんですよ。僕も13歳下の、一番下の弟にも勧めています。今の子どもたちにもぜひ読んでほしいですね」。野球を好きでいるための方法は様々だ。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)
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