“ナイター開催”で熱中症を回避 小学生の甲子園で実施…「選手ファースト」の運営
「子どもたちの健康管理は大人と主催者の役目」
小学生の甲子園と呼ばれる高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会「マクドナルド・トーナメント」で、今年も昨年大会に続いて、最も気温が高くなる時間帯の試合を避ける日程が組まれた。大会序盤の2日間は“朝夕2部制”で、ナイターを経験したチームも。選手の健康を考慮した日程に現場からも歓迎の声が上がった。
大会2日目の7日、試合会場の神宮球場にはナイター照明が輝いた。この日の第4試合、不動パイレーツ(東京)対常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)は午後6時8分に始まり、同8時24分に終了。子どもたちはナイター試合を楽しんだ。
昨年から実施されている暑さ対策。試合開始を午前は8時30分と10時25分に設定。最も暑くなる時間帯は避け、午後は4時と5時55分開始にした。「子どもたちの健康を管理するのは大人や主催者の役目。危機感を覚え昨年から取り入れました」と全日本軟式野球連盟(JSBB)の吉岡大輔事務局長は説明する。
JSBBの主催試合では、7月下旬に石川県で行われた「NPBガールズトーナメント2023 全日本女子学童軟式野球大会でも試合開始は午前中のみ。「まずは子どもたちの安全管理を第一に考えています」と吉岡事務局長は話した。
現場も大歓迎の様子だ。不動パイレーツを率いる永井丈史監督は「子どもたちにとって初めてのナイター。フライ捕球で戸惑っていた面もありましたが、楽しんでいましたし思い出にもなるのではないでしょうか。健康管理に取っても良い取り組み。環境が変わっていく中、変わっていくことは大事だと思います」と話す。
気温が上がり、真夏の日中にスポーツに取り組むことが危険になった昨今。最も暑い時間を避けて大会を運営するのは今後、普通のことになっていくのかもしれない。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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