盲点だった“座り仕事” 故障乗り越え打率.500…侍J女子が生かした一流からの学び

阪神・近本の「動物的な動きを取り入れたトレーニング」で体幹強化

 4年を過ごしたプロ生活から、2021年に現在のクラブチームへ移籍し淡路島へ移住。「身体が丈夫」と自負するフィジカルの強さも、さらにパワーアップした。きっかけは同島出身の阪神・近本の自主トレだ。参加したのは初日だけだが、それでも学びは多かった。目の当たりにしたのは「全然同じ動きができなかった」と言う初見のトレーニングだった。

「器械体操的な動きや、動物的な動きを取り入れたアップや、体幹トレーニングをしていて。四足歩行でめちゃくちゃ地面を這うようにして動くとか、逆立ちだったり、前転とか後転とか……。普段野球では使わない筋肉を使った、本当に知らない動きをやっていました。近本選手は野球を始める前に、まずは自分の身体を知ることを大事にされているんだなと感じました」

 星川が所属するチームは、近本が自主トレで使っている室内練習場を普段から使用している。自主トレ初日に学んだイメージを大事にしながら、「バランスボールを天井に当てるくらいポンッと投げる練習」を冬のトレーニングに取り入れ、体幹強化に役立てた。

 だが、すんなりと強くなれたわけではない。「淡路島に来てすぐの頃はミシンで商品を縫う仕事をしていました」という星川は、深刻な肩凝りに悩まされ、その後、故障した。「プロのときは“半日仕事・半日練習”の生活でしたが、8時間通して仕事をして、そのあと2時間練習する生活になって……。そんなことで身体が壊れると思っていなかった」と、“座り仕事”の大変さを知った。これを機に1日通して身体を動かせるホテル業界へ転職し、プロのとき以上に身体への配慮を欠かさない。

 予想外の故障を乗り越えて日本代表入りを果たし、チームをファイナルステージへ導く活躍をみせた星川。ファイナルステージでも日本の7連覇阻止を狙う世界の強豪チームを打ち破る覚悟だ。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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