DeNAが中体連とコラボ…未経験者向けイベント開催 官民一体で挑む“野球人口拡大”
DeNAが野球未経験の子ども向けイベント「ハマスタ B-PARK」を開催
野球人口の減少が進む中、横浜DeNAベイスターズが神奈川県野球連盟中体連支部と協力し、子ども向けの野球体験イベントを実施した。横浜スタジアムで先日開催された「ハマスタ B-PARK」には、約1600人の子どもたち、保護者らを含めると約5500人が参加し、野球を楽しんだ。今後も“官民一体”となって裾野の拡大に取り組んでいくという。
イベントに参加したのは年中以上の未就学児から小学生までの野球未経験者。スタジアム内にはバッティング、ダッシュ、スローイング、ノック、ピッチングなどをするブースが設けられ、子どもたちは思い思いに“野球”に取り組んだ。
DeNAとして初めて実施した試み。そこには競技人口減少への危機感があった。様々な道具を使い、ルールも細かい野球。ボールなどを使用できる公園も少なくなり、子どもたちが野球と触れ合う機会が減っている。
球団の「ビジネス統括本部マーケティング部I☆YOKOHAMAグループ」でグループリーダーを務める浦田晃仁さんは「野球にダイレクトに結びつくイベントをやりたいと思っていました。野球は難しいという声もありましたので、一つ一つの動きを楽しくできる形でメニューを作りました」と語る。
ダッシュメニューでは合図によってバックとゴーを体験してもらったり、ピッチングメニューではDeNA名物でもある、球団OBの谷繁元信氏がプロデュースした“ビッグなキャッチャーミット”を目掛けて投げてもらったり、野球の要素や子どもの興味を引く要素を取り入れた。他にも好評だったのが「はたらく道具展示」。球場整備用のブラシなどに子どもたちは興味津々で、「予想以上に反響が良かったです」と浦田さんはうなずいた。
神奈川県中体連が全面協力…軟式野球部員100人がボランティアで参加した
このイベントに協力したのが、神奈川県野球連盟中体連支部だ。中学校の軟式野球部に所属する生徒約100人が、ボランティアで運営に参加した。競技人口の減少が著しい中学軟式野球。DeNAでは昨年から中体連と協議を重ね、野球振興策を模索してきた。
今回のイベントもその一環。県中体連軟式野球専門部の副部長を務める、秦野市立本町中学校の野澤伸介統括教諭は「少年野球にもっと人が入ってほしい。土台が大きくならないと、中学野球部員も増えていきません」と危機感を抱き、今回の催しに全面協力した。
DeNAも思いは同じ。こうしたイベントを「今後も広げていけたらなと思っています」と浦田さんは力を込める。12月9日には秦野市で同様のイベント「ベースボールフェスタin秦野 B-PARK」(中栄信金スタジアム秦野)が開催され、DeNAも協力することが決まっている。
地元中学校と連携して野球振興に力を注ぐDeNA。今後も野球の裾野を広げるべく、様々な施策を検討していく予定だ。こうした取り組みが野球人口拡大にどんな効果をもたらすか、注目される。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/