沖縄からも2人選出…工夫するチームワーク醸成 ホークスJr.監督が取り入れる“遊び”
2度目の頂点狙うホークスJr.…帆足和幸監督は「キャッチボール」を重視
26日から開催される「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2023」で、福岡ソフトバンクホークスジュニアは2009年以来、2度目の頂点を狙う。指揮を執るのは帆足和幸監督。2019年に監督に就任して5年目。今年のチームは「総合力で勝負」と語る。
「今年は飛び抜けた選手はいません。チーム全員でやらないと勝てないので、スタメンで出ない選手たちがしっかりと準備することも必要。選手たちの“考える力”が大事になると思います」
6月末から7月末の1か月間、スポーツ量販店が全国で行っていた「ピッチング・スイングスピードコンテスト」を1次選考として活用。これを受験した九州、沖縄、山口在住の小学5年、6年生2445人の中から条件をクリアした選手が2次選考へ。さらに3次選考、最終選考を経て16人の精鋭が決定した。帆足監督は選考のポイントとして「第一はキャッチボール。キャッチボールがちゃんとできている子は、守備もある程度うまい」と挙げる。
16人の中でも帆足監督が“チームの中心”として期待するのが日野慎大(東ファイターズ)、森耀平(三宅ブレーブス)、山城響(楚辺ボーイズ)という3人の投手だ。帆足監督は「日野くんはキレのある真っ直ぐを投げます。森くんと山城くんはコントロールが良く、速球もいい。この3人が抑えてくれれば」と、期待する。
打線の中心は東亮佑(南アポロスポーツ少年団)と服部斗葵愛(ときあ、鷹羽ボーイズ)の2人。「東くんは長打力がありつつ、三振が少ない。服部くんは小さいですけど、アジャストが上手。タイプが全然違う2人ですけど、その2人の前にどれだけ出塁するかが鍵だと思います」。帆足監督もクリーンアップにこの2人を据える打順を思い描く。
沖縄からも選手が参加…毎週末に全員が集合することも一苦労
小学生はどうしても、選手個々の体格によって力の差が生まれてしまう。ジュニアチームの監督になって5年目となる帆足監督も「小学生はどうしても大きい子が有利」という。その中でも「足が速い子は使いやすいですし、どの打順を打たせることもできる。あとはやっぱりキャッチボールですね。バッティングはみんな好きなので」と挙げる。
九州各県、沖縄、山口から選手が集うホークスジュニア。今年は沖縄から、山城と金城彦輝(げんき、城岳中央ブレーブス)の2人が選ばれている。毎週末に全員が集合することも大変な事情がある中で、毎年苦労するのがチームワークをいかに生み出すかという点だ。
昨年まではオンラインミーティングを実施するなど、工夫を凝らしてきた。今年はトレーナー陣と協力してウォーミングアップにレクリエーションやゲーム要素を入れたメニューを考えた。「遊びの要素を取り入れて、その中で仲良くなってもらおうと取り組んでいます」。そうして醸成したチームワークが、12月の東京でどう発揮されるか、帆足監督も楽しみにしている。
決して“スーパー”な選手がいるわけではないが、野球はチームのスポーツ。「日本一になりたいと思っていますし、みんなにもそう話しています」という帆足監督とともに、チームワークを武器にホークスジュニアは日本一を狙う。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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