ゴロ捕球の足運び、どう教える? 全国準Vチーム徹底…反復効果を上げる「三角形」

愛知の学童チーム・守山ボーイズの練習の様子【写真:間淳】
愛知の学童チーム・守山ボーイズの練習の様子【写真:間淳】

2011年に全国準V…愛知・守山ボーイズが重視する「基本の上のサインプレー」

 全国大会で準優勝するなど、学童野球の強豪として知られている愛知・守山ボーイズは、小学生とは思えないほどサインプレーが細かい。ただ、サインを覚えるのは基本の動きを身に付けてから。ゴロ捕球の姿勢はグラウンドに三角形を描いて、反復練習で基本を習得している。

 守山ボーイズは2022年、“小学生の甲子園”と呼ばれる「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」に7回目の出場を果たした。2011年には準優勝するなど、毎年選手が入れ替わる中で安定した強さを見せている。

 チームの特徴の1つは多様なサインプレーにある。攻撃でも守備でも、場面に応じて複数のサインがある。だが、監督が選手を駒のように動かすのではなく、選手たち自身が考えながらプレーする。チームでは小学校低学年から中学年にかけて基本を身に付け、高学年になってからサインを覚えていく。

 守山ボーイズは学年に応じたテーマを設けている。例えば内野守備の場合、小学4年生の秋に「トップの決まった小さなスローイング」や「大きく弾むゴロのシングルハンドキャッチ」などをゴールに掲げている。

 小学5年生の夏には「離塁が大きい時に捕手からの返球に備える」「バントシフト」「偽投」といったプレーを求める。5年生の監督を務めながらチーム全体を統括する山本次雄会長は、「細かいサインプレーは基本ができてからです。必要な技術や知識を明確にして、段階を踏んでうまくなる指導を心がけています」と説明する。

 打撃も守備も、基本となる動きを大切にし、反復練習で体に染み込ませていく。ゴロ捕球では、グラウンドに白線で三角形を描いて足の運びを覚えるメニューがある。三角形の底辺に両足を置き、正面から転がってくるゴロを捕ったら、三角形の頂点の位置にステップする。白い三角形は視覚的な分かりやすさがあるため、口頭だけの説明よりも選手の理解が深まる。

 細かいサインプレーに全国レベルのチーム力。その根底には基本の徹底がある。

(間淳 / Jun Aida)

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