2000球打ち込み95発目…“本塁打量産”小学生の愛用品 強い日差しでも「疲れない」
船橋フェニックス・濱谷隆太は目の下にアイブラック使用「サングラスは違和感あって…」
一昔前の夏に比べて気温も上がり、日差しも強烈にグラウンドへ降り注ぐ。学童野球でも、紫外線から目を守るために、サングラスを着用する選手が多くなった。しかし、高いもので数万円するなど、決して安い買い物ではない。また、激しいプレー中にズレたり、雨粒で視界が遮られたりと、多少の違和感ももちろんある。そんな時は、目の下につける「アイブラック」を使うのも手段かもしれない。
今年で創部50年目の船橋フェニックス(東京)は、サングラスの着用などを個々の判断に委ねている。都内1051チームの頂点に立ち、2年連続2度目の出場となった“小学生の甲子園”「高円宮杯 第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」でも、レギュラー数人が愛用のサングラスでプレーする中、アイブラックを塗って大暴れした選手がいた。
濱谷隆太捕手(6年)は18日、国分小軟式野球スポーツ少年団(鹿児島)との2回戦に「4番・一塁」で先発出場。初回、左打席から右越えに自己通算95号となる特大の先制2ランを放つなど、3安打2打点の活躍でチームの18点大勝に大きく貢献した。アイブラックは汗でほとんど剥げ落ちてしまったが、それもご愛敬。濱谷くんの表情には充実感が漂う。
「大会前、お父さんに4日間で2000球くらい投げてもらって打ち込みました。アイブラックは5年生に入ったぐらいからつけています。サングラスも試したんですけど、違和感があって声が出なくなるんですよ。いつもお父さんに『T』の字に塗ってもらっています」
「なくなったらすぐに買ってもらっています」
アイブラックは、1940年代に米国スポーツの選手が使用したのが始まりとされ、その後、野球やソフトボールにも普及。守備でフライ捕球の際などに目に入る太陽光線のまぶしさを防ぐ効果があるとされている。かつては、プロ野球のデーゲームに外国人選手が着用するイメージだったが、今では丸佳浩外野手(巨人)や小園海斗内野手(広島)ら日本人選手がナイター時でも愛用するなど、広く浸透してきた。
現在はシールタイプが一般的だが、濱谷は塗るタイプを使用。ネット通販などで600~800円とリーズナブルな価格で購入できるのも魅力で、「なくなったらすぐに買ってもらっています」とニヤリ。もはや手放せないアイテムの1つとなった。
「自分の中ではサングラスとほぼ一緒ぐらいの感覚で使っています。目も疲れないし、今後も使っていきたいです」
アイブラックは所属する連盟によって使用不可の場合もあるが、サングラスが合わない選手にとっては選択肢が増え、手軽に太陽光のまぶしさを抑制することができる可能性がある。規則に則り、練習から試してみてもいいかもしれない。
(内田勝治 / Katsuharu Uchida)
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