最速126キロ逸材左腕は「すごく打ちづらい」 U-12も選出…プロと見直した“悪癖矯正”
DeNAジュニア・一寸木健翔は日本代表で外国勢と対戦したことが「大きな経験に」
12球団ジュニア代表とU-12日本代表とのダブル選出を果たした小学生は、全国でも限られる。横浜DeNAベイスターズジュニアの一寸木(ちょっき)健翔選手(6年=西湘シーホース)は、そのうちの数少ない一人だ。日の丸を着けて戦った貴重な経験を胸に、26日に開幕する「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2024 ~第20回記念大会~」(神宮球場、ベルーナドーム)でチームを連覇に導く。
その球筋を見れば、代表で活躍する理由もうなずける。170センチ、60キロと小学生離れした体格の大型左腕は、最速126キロを誇る直球が持ち味。11月に行われた「第11回 BFA U12アジア野球選手権」では代表の一員として3試合に登板し、オープニングラウンド2試合では2イニングを投げ、5奪三振無失点と完璧な投球を披露した。スーパーラウンドでは韓国、チャイニーズ・タイペイに敗れて3位で大会を終えたが、日の丸での貴重な経験を胸にベイスターズジュニアへ再合流した。
「外国の選手は、投手の球速や打者の打ち方が少し違いました。そういった選手と試合をすることができて、自分の中ですごく大きな経験になりました。U-12でより一層引き締まった感じで、ベイスターズジュニアに合流できたと思います」
元プロからの指導も血肉となっている。U-12の江尻慎太郎投手コーチからは、初球の大切さ、心構えを繰り返し教わった。DeNAジュニアの古村徹投手コーチとは、インステップ(左投手であれば一塁側に寄って右足を着地すること)の矯正に着手。踏み出す右足を、かかとからではなく、足裏全体から下ろす意識へと変えることで、早くマウンドに着地しすぎる悪癖を修正し、投球方向へ真っすぐ踏み出せるようになった。
憧れは今永…将来は160キロ球速で圧倒する投手に
球団のベースボールスクールでも一寸木くんを指導している荒波翔監督は、「投手陣の柱として期待しています」と安定感のある投球に信頼を寄せる。
「体に対しての意識も高く、柔軟を含めていろんなことに取り組んでいます。打者からするとすごく打ちづらいフォーム。U-12の経験も生かして、ストライク先行で、自信を持ってどんどん投げていってほしいです」
一寸木くんの将来の目標は、160キロ近い球速で打者を圧倒する投手になること。「投げた試合はしっかり0点に抑えて、2年連続日本一を目指して1戦1戦、戦っていきたいです」。尊敬する今永昇太投手(カブス)のように、相手打者をねじ伏せるピッチングに期待だ。
(内田勝治 / Katsuharu Uchida)
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