凡打の山築く「バットの遠回り」をどう防ぐ? 小学生でも打球が上がる“肩乗せ修正”
ゴロの凡打を防ぐ“インサイドアウト”を簡単に…元U-18の専門家の「肩乗せスイング」
バッティングで打球が上がらずゴロばかりの凡打を修正したい――。少年野球の指導者や子どもたちが抱える“野球の悩み”を解決するのが、兵庫県・加古川市の野球塾「WIN Baseball School」で塾長を務め、元U-18高校日本代表の実績を持つ八代和真さん。打撃修正の専門家は、「バットの芯が体から離れないことを意識してほしい」とアドバイスを送る。
力任せのスイングでは、打球を遠くに飛ばすことはできない。小学校低学年や野球初心者にありがちなのが、体や腕に力が入り過ぎた状態でスイングすること。バットが遠回りし、弧を描いたスイング軌道になるため、ボールの外側を打ってしまいゴロになる、いわゆる“引っ掛ける”打撃になってしまう。
この修正には、バットを内側から出す「インサイドアウト」のスキルが必要になる。子どもでも理解しやすい打撃指導に定評がある八代さんは、「遠回りする選手の特徴は、バットの芯が体から離れてしまうこと」と説明し、「一番簡単な修正方法は、肩にバットを乗せてスイングすることです」と語る。
ポイントは振りに行く際、できるだけバットを肩(右打者なら右肩、左打者なら左肩)から離れないよう、沿わせておくこと。グリップは前に出ていくが、バットのヘッドは後ろに残っている状態を作ることだ。そうすると、体の内側からバットを出すイメージを作りやすい。素振りやティー打撃でもできるが、止まったボールを打つ「置きティー」で実践するとわかりやすいという。
注意点としては、肩から離れないことを意識しすぎて手首が背中側に逃げてしまい、スイング軌道が小さい窮屈なバッティングになってしまうこと。「ギリギリまでバットを体に沿わせつつ、(ボールに)当てた後は、バットの芯を前に大きく走らせてあげることが大切です」と指導する上での要点を挙げた。
バットが遠回りするとゴロ打ちになるだけでなく、コースや球種に対応することも難しい。「バットのような棒状のものを、何も考えずに振ると確実に遠回りになります。間違った練習はどれだけやっても無駄になってしまう」。点ではなく“線”でボールを捉えるためにも、早い段階で取得したい技術の1つだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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