球速アップの必須動作「大げさでいい」　投げ終わりの悪癖をなくす“180度回旋”

米国式野球アカデミーを運営する松本憲明氏が解説…“回旋動作”を高めるドリル

　球速アップに繋がる「体の使い方」とは？　理想のピッチングを実現させるためには筋力も必要だが、力任せに腕を振っても意味がない。愛知・名古屋市で、プロ野球選手も通う米国式野球アカデミー「Be an Elite.」を運営する松本憲明さんは、投球動作においてポイントとなる1つが、“回旋動作”ができているかどうかだと語る。

　球速アップの条件として松本さんは、軸足で立って前足をステップする際の体重移動（並進運動）の速さに加え、前足を着地して体を回転させる際の、体幹の「回旋動作」の大きさを挙げる。ただ、「体幹を回す動きは簡単そうで、自分では（意識して）できない場合もあります」と指摘。体の硬さはもちろん、無意識で制限をかけてしまうケースもあるといい、日々の練習で感覚を養っていく必要があるという。

　そこで、回旋動作を効率的に高めるトレーニングとして推奨しているのが「振り向きネットスロー」と「ピボットスロー」の2つだ。

「振り向きネットスロー」はセカンド方向まで胸を180度、回旋させるスローイングドリルで、体幹が回りきらず、投げ終わりに正面を向いてしまう癖を修正する効果がある。「ピボットスロー」は正面を向きながら、右投手なら右足、左投手なら左足を前に出し、上半身の捻りを使い投げていくドリルで、胸郭の回旋を高める効果があるという。

　松本さんは「大げさ、オーバーくらいにやることが大事。日本では形を気にしすぎてフィニッシュが1本足の投手が多い。背中が捕手方向に向くくらいの意識で大丈夫です」とアドバイスを送る。ステップした足にしっかりと体重を乗せて、地面反力を得ながら回旋動作を生むことで、強い球が投げられる。適切な体の使い方を覚えるためには、単発のトレーニングではなく、連動させることと反復することが重要だ。

（First-Pitch編集部）