“不運な世代”を手厚く救済 塁間やリードに工夫も…少年硬式野球の「ギャップ解消策」

監督の指示を聞く宮城リーグ【写真:片倉尚文】
監督の指示を聞く宮城リーグ【写真:片倉尚文】

塁間の距離が長くリードも可能…選手の「次」を見据えるリトルリーグ

 米国発祥の少年硬式野球「リトルリーグ」で、様々な新たな動きが生まれている。同リーグの中心はメジャー部門(9~12歳)だが、それより上のインターミディエット部門(11~13歳)、ジュニア部門(12~14歳)の大会も活発化。次のカテゴリーを目指す選手たちに対応している。

 リトルリーグのメジャー部門はバッテリー間が14.02メートル、塁間が18.29メートルとコンパクト。学童野球に比べて短く、走者はリードできない。フルサイズのバッテリー間は18.44メートルで、塁間は27.432メートル。かなりの開きがある。

 このギャップを埋めるカテゴリーがインターミディエットだ。バッテリー間は15.24メートル、塁間は21.34メートルで、投手の牽制や走者のリードもでき、より実戦的な野球が可能になる。

 今月9~11日に茨城・牛久市などで行われた「第13回インターミディエット全日本リトルリーグ野球選手権大会」で準優勝した茨城リーグの吉田明宏監督は「これから先、フルサイズで野球をする上でこういう経験をできるのは大きなことだと思います」と語る。

準優勝の茨城リーグ【写真:片倉尚文】
準優勝の茨城リーグ【写真:片倉尚文】

14歳以下が対象…ジュニア部門の動きも活発化、ソフトボールの国際大会にも参戦

“不運”な選手たちの救済策にもなっている。リトルリーグの年齢分けは米国の入学シーズンである9月が基準になる。日本では4月~8月生まれの中学1年生選手がメジャー部門では出場できないことになる。

 インターミディエットは、こうした選手たちが出場できる場にもなっている。同選手権で4強入りした宮城リーグの高梨道明監督は「小6で終わる所で、インターミディエットで腕を磨くことができる。次にも繋がると思います」と意義を実感している。

 これだけではない。インターミディエットのもう1つ上の部門になるジュニア部門でも、アジア太平洋中東リトルリーグ野球選手権大会に昨年、日本代表チーム(宮城リーグ)が初出場。今月17、18日には日本地区予選(埼玉)が実施される。

 さらに日本ソフトボール協会の協力を得て、ソフトボール部門リトルリーグ日本代表が6月の「アジア太平洋中東選手権大会ソフトボール・メジャー部門」(千葉・成田市)に初参加する。リトルリーグも例に漏れず選手不足は深刻。そんな中でも様々な手立てを講じ、球界の発展に尽力している。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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