球速アップに欠かせない着地足の“急ブレーキ”　上半身＆指先の加速生む「スロードリル」

米国式野球アカデミーの松本憲明氏…着地足のブレーキが上手でないと「肘抜けの原因に」

　球速をアップさせるには、踏み出す足の“ブレーキ”が重要になる。下半身をうまく使うことで上半身に勢いがつき、高い出力が生まれる。夏に向けてレベルアップを目指す少年少女に向け、米国式野球アカデミー「Be an Elite.」代表の松本憲明氏が「着地足スロードリル」を紹介している。

　松本氏がピッチングで重要視しているのが「並進運動」と、体重移動の最後に地面につく「着地足」だという。車に例えると並進運動の軸足の動きが「アクセル」だとすれば、着地足は「ブレーキ」。スピードが出ている時に急ブレーキを踏むことで、上半身が一気に前に出る。これを投球動作にも落とし込んでいく。

「どれだけ並進運動がうまくできても、着地足でのブレーキ動作が不十分なら力は伝わりません。着地足には体重の1.75倍から2倍かかると言われています。うまくできなければ肘が抜けたり（前に出たり）、ボールが抜ける原因にもなります」

　そこで松本氏が推奨するのが「着地足スロー」だ。まず着地足（右投げなら左足）を投げる方向に向け、曲げる。軸足（右投げなら右足）は、かかとを上げ爪先だけを軽く地面につけておく。そこからトップを作り、ボールを投げると同時に着地足の膝を伸ばす。

「前足は後ろに引くのに、上半身は前に出るので、より指先は加速していきます。意識してほしいことは、一気に膝を伸ばすと同時に体幹を前に倒して投げること。キャッチボールの最初に意識づけとして入れると、そのあとのキャッチボールの質も変わってくると思います」

　これは下半身の練習だが、上半身の動きにも繋がるだけに疎かにはできない。軸足に溜めたエネルギーを100％上半身に伝えられれば、理想のボールを投げることができるはずだ。

（First-Pitch編集部）