王貞治氏、子どもが動ける野球場「形にしたい」 少子化だからこそ…挑む大谷超え“スター誕生”

野球界の各団体を連携させ新スターが誕生する土壌を…「BEYOND OH! PROJECT」が発足
通算868本塁打の王貞治氏(ソフトバンク球団会長)や大谷翔平投手(ドジャース)を超えるような世界的スターを、球界の各団体が一致団結して輩出をーー。子どもたちに夢を与える新たなヒーローを、球界やスポーツ界から育成できる未来をつくることを目的とした「BEYOND OH! PROJECT」が発足し、26日に都内で会見が開かれた。プロジェクトの中心となる団体「一般財団法人球心会」の代表に就任した王氏は、少子化や野球離れが進む中「今の野球界、このままでいいのかという思いもあった。思い切って活動していきたい」と意気込みを語った。
プロ野球を統括するNPB(日本野球機構)、社会人野球を担う日本野球連盟(JABA)、全日本大学野球連盟に日本高野連……。硬式、軟式、ソフトボールも含め、球界には様々な団体が林立する。しかし、少子化や野球離れが進む昨今、個別の活動では世の中の変化に対応しきれないのが現状だ。同プロジェクトでは今後、こうした組織・団体が一体となり、野球普及イベント運営や交流事業など50年後、100年後を見据えた具体的な取り組みを行えるよう役割を担っていく。代表は王氏、副代表は元侍ジャパン監督の栗山英樹氏が務める。
将来のスター育成には、何より“野球への入り口”を作ることが第一歩。各団体・連盟で対策はそれぞれ行っているものの、「コミュニケーションが取れていないように感じた。横のつながりができる仕事をしていきたい。少子化だからこそ、やらなければいけない」と王氏は設立理由を説明した。
具体的には、野球未経験の子どもや保護者がボールと触れ合える機会を作る「PLAY KIDS」や情報プラットフォームの設立などが紹介され、「全国津々浦々へ、野球を身近に感じてもらえるように情報発信役を担っていきたい」。栗山氏もまた、「丁寧に現場を見て、何が必要かをクリアにして、協力をして前に進んでいきたい」と語った。
栗山氏からは、6月3日に亡くなった長嶋茂雄さんから生前に送られたメッセージも読み上げられた。「アマチュア、プロの垣根を越え、王さん自らグラウンドに飛び出されると聞き、私にできることがあれば大いに協力したいと考えています」。長嶋さんの強い思いも受け取った王氏は、「資金を集めて野球場をつくる、子どもたちが動ける場所を作りたい」と具体的な夢も語り、「とにかくみんなで工夫をして形にしていくことが大事。子どもたちが大きな目標を持てるように頑張りたい」と力を込めていた。
(First-Pitch編集部)
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