満塁から試合開始、ヤジは厳禁 野球初心者に最適…人気呼ぶ“U9大会”の斬新ルール

小学3年生以下が対象の「ゼビオジュニアベースボールフェスト」
野球を始めたばかりの子どもたちに、試合の楽しさを知ってもらいたい――。そんな取り組みが人気になっている。小学3年生以下(U9)によるティーボール形式の大会「ゼビオジュニアベースボールフェスト」で、今年は過去最多の16会場で実施される。
このイベントは小学校低学年の子どもたちに野球を楽しんでもらうことを目的に、2021年に始まった。同年は1開催だったが昨年は10会場、今年は16会場に増えた。12日には千葉・富勢運動場野球場で行われ、13チーム約150人が参加。子どもたちの歓声が響き渡った。
実施されたのは「BATTING TEE GAME」。ティーボール形式で、小さな子どもたちも楽しめるようにオリジナル要素を加えた。2イニング制で、1番から9番まで1イニングで連続して攻撃する。
7~9番打者が塁を埋め、満塁の状態から試合が始まる。得点する楽しさや、下位打者の走塁機会を増やすことが目的だ。三振はなく何度も打ち直し可能でバント、リード、盗塁、ヤジは禁止としている。チーム単位だけではなく、個人参加も可能になっている。

「野球の楽しさやルールを知るきっかけになる」
イベントを主催するゼビオグループ傘下「クロススポーツマーケティング株式会社」の大竹翔也さんは「普段は試合に出る機会が少なく、野球を始めたばかりの子どもたちに楽しさに触れてほしいという思いでこのイベントを始めました」と説明。「これをきっかけに長く野球を続けてくれたら嬉しいですね」と思いを寄せる。
さらに今年からスポーツメーカー「ニューバランス」がオフィシャルサプライヤーに。同社のスパイクを子どもたちが履き、塁間(21メートル)タイムを計測する「塁間スピードチャレンジ」も実施された。
子どもたちもこのイベントを心から楽しんだようだ。柏市の学童チーム「北柏スーパーナイン」は10人で参加。チームを引率した遠藤友和さんは「野球の楽しさやルールを知るきっかけになると思います。みんなが打てるのもいいですね。子どもたちも盛り上がっていました」と笑顔で語る。
競技人口が減少する中、小さな子どもたちを野球に導く貴重な取り組み。今後、どのように発展していくか、楽しみだ。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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