足を速くする秘訣は「子どもからの習慣」 1試合7盗塁コーチ実演…歩幅広げる“20秒トレ”

ランニングトレーナーの村田和哉氏【写真:伊藤賢汰】
ランニングトレーナーの村田和哉氏【写真:伊藤賢汰】

福井商時代に1試合7盗塁を記録したランニングトレーナーの村田和哉氏

 足を速くするためには股関節の「準備」が最も重要になる。福井商で2度の甲子園出場を果たし、その後は陸上競技の道へ進んだランニングトレーナーの村田和哉さんは「足を上げ、高いところから地面を捉えることが大切」と強調する。がむしゃらに走るだけではスピードは上がらない。走れる土台を作ることがポイントだという。

 村田さんは高校時代に1試合7盗塁を記録するなど、俊足を生かし甲子園に出場。大学では陸上に転向し100メートルのタイムを11秒6から10秒2まで伸ばし、実業団で活躍した。現在はインスタグラムで23万超のフォロワーを持つ“走りのお兄さん”として注目を集め、全国各地を飛び回りレッスンを行っている。

 足の速さは野球において盗塁、守備範囲の広さなど、様々な場面で重要だ。村田さんは多くの子どもたちが抱える「足が遅い」という悩みの解決策として「お尻ストレッチ」を推奨している。股関節の柔軟性を高めることで、走る際のストライド(歩幅)が広がり、結果的にスピードアップに繋がっていく。

「速く走るには足が上がって、高いところから地面を捉えることがすごく大事。そのためにも股関節の可動域、柔軟性は必要不可欠です。股関節が詰まると体に無理がかかるので、怪我を少なくするためにも大切なこと。子どもの時期から、(取り組むのが)早ければ早いほど将来に生きてきます」

 村田さんが教えるストレッチは簡単に実践できるものだ。まずは片膝を立て、その足を外側に真っすぐ倒していき、体と平行になるように地面につける。この体勢から上体を前に倒していき、20秒間キープ。この時に息は止めず、リラックスしながら行う。

 股関節をしっかり伸ばすためには、膝の倒し方や足の位置が重要になる。つま先が真っすぐ前を向いたまま倒し、そこから前傾をとることで、股関節周りの筋肉に効果的なストレッチがかかる。もう1つはお尻を横にずらして地面につけないこと。力が逃げストレッチ効果が弱まるので注意が必要だ。

 初めて取り組む子や、股関節が硬い子にとってはキツく感じられることもある。そんな場合は「倒した足のかかとを内側(体の方)に引くと少し楽になります」と村田さん。痛みを感じる場合は無理をせず、段階的に柔軟性を高めていくことが大切だ。股関節の柔軟性が向上すれば、足を速く大きく動かせるようになり、野球のスキルアップに繋がっていく。

(First-Pitch編集部)

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY