準V指揮官はトラック運転手 夜勤→仮眠→練習が日課…“364日”選手に寄り添う熱血指導

全日本選手権で準Vの愛知木曽川ポニー…選手に寄り添う那須聡監督の指導
7月18日から23日まで開催された、中学硬式野球ポニーリーグの全国大会「マルハングループインビテーション 大倉カップ第51回全日本選手権大会」で、準優勝に輝いたのが「愛知木曽川ポニー」(愛知・一宮市)だ。リトルシニアから2021年シーズン秋にポニーに移籍し、翌2022年から4年連続で全日本選手権に出場。頂点まであと一歩に迫った。
23日に行われた高崎中央ポニーとの決勝戦は、1点を争う息詰まる展開。0-0で迎えた5回に高崎中央が犠飛で先制点を挙げ、そのまま逃げ切った。愛知木曽川の那須聡監督は「完敗ですね。今年は1勝できればいいかなと思っていました。まさかここまで来られるとは。お腹いっぱいです」と満足げに振り返った。
今春の全日本選抜中学硬式野球大会で優勝した市原ポニーを3回戦で撃破。2023年全日本選手権覇者の関メディベースボール学院を準決勝で倒すなど、破竹の進撃で決勝にコマを進めた。傑出した選手がいるわけではないが、バントなど小技を駆使して勝ち進んだ。
チームが設立された2010年から、那須監督が厳しくも温かな目で選手を指導している。元日以外は練習を実施。自前の室内練習場で行われる自主練習に毎日午後5時から9時まで顔を出し、選手の状態をチェックする。

遠征先で、毎朝必ず行うゴミ拾い「神様は必ず見ている」
本業はトラックの運転手。平日は練習を視察した後、深夜に勤務する。明るくなってから帰宅し、仮眠を取って再び室内練習場へ向かう。預かった選手にはとことん寄り添い、高校進学先も責任を持って面倒を見るという。
遠征などチームとして行動する際には、必ずゴミ拾いを行う。朝食前にスタッフや選手、保護者も参加して宿舎周辺をきれいにする。「神様は必ず見ている」が口癖。徳を積むことが自分たちのためになるという思いからだ。
ポニー全日本選手権では初出場の2022年から8強、8強、16強と続いて今年が準優勝。頂点に立つ日は遠くないかもしれない。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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