ゴロ捕球に重要な“習慣づけ”「動いて真ん中に」 初心者・低学年が夢中になる守備指導

ソフトバンクアカデミー・三代祥貴コーチによる捕球指導
ソフトバンクは8月17日、PayPayドームで子ども向け交流イベント「九州スポーツキッズキャラバン Supported by ローソン」を開催した。約200人の子どもたちが複数のスポーツを楽しむ中、熱を帯びていたのがゴロ捕球の基本動作のコーナー。そこには、初心者でも低学年でもわかりやすい練習法、指導法が準備されていた。
守備指導のエリアでは、大分商から2022年に育成ドラフトで入団し、現在はホークスジュニアアカデミーコーチを務める三代祥貴さんが、元気いっぱいに子どもたちと触れ合っていた。「捕ったらバクッ」と動物が大きな口で餌を食べるかのような動きを見せ、両手で上からボールを押さえる動作を実演。野球経験のない低学年の子どもたちも、その大きな動きを見て真似をしていくと、しっかりと捕球を行うことができた。
この動作は、初めてボールを触った子や、野球を初めて間もない子どもたちに有効で、自宅でも野球に夢中なるきっかけになりそうだ。三代コーチは「守備の基本は両手で捕ることなので、初心者の子たちには基本的にグラブと投げる方の手で、しっかり“パクッ”と捕るようにと教えています」と、普段のアカデミーでの指導内容を説明する。特にこの日のイベントでは動きを意識的に大きくしていたという。
また「動いて真ん中、動いて真ん中」という声かけも印象的だった。三代コーチは「正面で捕るのが基本。バックハンドとかもいいのですが、はじめからそれだと足を動かさなくなる。まずは正面で捕ることによって、しっかり足が動くようになる」と習慣づけの重要性を説明する。最初は難しくても、徐々に正確性が増していく過程で、子どもたちは達成感を味わえる。
この日は野球以外のスポーツも含めて純粋に楽しむことが目的。そのため、細かな技術指導はなかったが、普段のアカデミーの指導では「目線が上下したり動き過ぎたりしたら、ボールをしっかり捉えられないので、目線を変えないように動きなさい」という基本や「グラブは下から上」という指導を全ての子に共通して教えているという。
同イベントは「ファイト!九州プロジェクト」および球団誕生20周年記念事業の一環として実施。5月から九州・沖縄9会場で行われ、最終回のこの日は小学生約200人が参加した。アンバサダーを務める和田毅球団統括本部付アドバイザーをはじめ、新垣渚さん、嘉弥真新也さんらホークスジュニアアカデミーのコーチ陣が参加した。
三代さんは終始、子どもたちに負けないくらいの大きな声でイベントを盛り上げた。「ファイト九州という名前なので、元気付けるというイメージです。まずは子どもたちに楽しんでもらえるように、自分たちが楽しんでいないと、子どもたちも楽しい雰囲気にできないと思うので」と充実感をにじませていた。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)
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