女子野球の伸びしろは「桁違い」 原辰徳氏が大胆予想…明かす“夢の展望”「NPBの形で」

女子小学生が参加する野球教室を開催「将来は女子プロ野球ができるように」
将来は再び女子のプロ野球を――。「サンリオベースボールアカデミー in ジャイアンツタウンスタジアム」が15日、東京都稲城市で開催され、2009年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝監督で元巨人監督の原辰徳氏らが講師として参加した。東京と神奈川の女子小学生203人が参加して行われた女子野球教室。初めての試みとなったという原氏は「将来は女子プロ野球ができるように」と夢の展望を明かした。
10年前からチーム数も競技人口も倍増している女子野球。原氏は「女子野球は一番伸びているスポーツです。10年前に比べると学校数もチーム数も桁違い」と驚きと期待を口にする。巨人は2021年に女子硬式野球チームの創設を発表し、2023年から本格的に活動を行っている。
「ゆくゆくは12球団全チームが女子野球チームを持って、女子プロ野球リーグという夢を描きながら、我々はお手伝いしたい。(選手の)皆さんには先駆者となって新しい時代を作っていってもらいたい」
2009年に日本女子プロ野球機構が創設され、翌2010年から公式戦を開催。当初の2チームから4チームまで増えて活動していたが、赤字経営が続いて2021年限りで「無期限活動休止」となっている。そんな中、女子野球に参入しているNPBのチームは西武、阪神を加えた3球団。原氏には、その他の球団を巻き込んで、さらに発展させたい考えがある。
「我々の時代は、そうそうスポーツは選べなかった。でも現在は多種多様で、いろんなスポーツが選べる時代です。そういう中で女子野球の人口が増えてきて広がっているのは凄くありがたいことです。根底には野球が好きな女の子がたくさんいるということがある。将来、NPBのような形で女子野球のプロ野球もできる気配を感じていますし、そうなる予想を立てます」

「野球ができる場所を増やすことが大事」
女子選手のみの野球教室は初めての体験。斎藤雅樹氏(元巨人)、五十嵐亮太氏(元ヤクルトほか)、松井稼頭央氏(元西武監督)ら8人のOBとともに熱心に指導を行った。「技術的にも(男子と)遜色がない。キャッチボールしていても全く気にならない。女子野球人気が上がっていて、伸びている部分がうかがえる気がしました」と感想を口にし、「非常に純粋で野球に対する取り組み方も素直。姿勢も貪欲です」と評価した。
今回の野球教室は株式会社サンリオが特別協賛。人気キャラクターであるハローキティなども登場して華やかなイベントとなった。「子どもたちがいなければ全てのスポーツは発展していかない。みんなで笑顔でできて非常に意義があります。新しい、いいスタートが切れたと思います」。
参加した選手たちはキャラクターも好きだが、野球愛も強い。「昨今、打ったり投げたりするのは、限られた場所でしかできない。野球ができる場所を増やすことが、指導者を含めて大事なことです。彼女たちが野球を続けて、将来『野球ってこんなに楽しいんだよ』って言ってくれる選手が増えれば、野球界にとっても大変明るいことだと思います」。願うのは球界のさらなる発展。そのための環境づくりにも尽力していく。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
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