「速球が見えない」「変化球が打てない」 打撃の悩み解決…一流打者も取り入れる“眼球トレ”

塩多雅矢氏が推奨…目線の切り替え速度を鍛える「前後のサッケード」
打撃向上のカギを握るのが「目の力」だ。速球に対応し、変化球を見極める――。視覚から得る“情報”が遅れると、体も瞬時に反応できない。約20校の中学・高校の野球部をサポートするトレーニングコーチの塩多雅矢さんは「野球では目線を素早く切り替えるということは頻繁に行われています」と、目の力を鍛える重要性を強調している。
相手投手のボールに対応できない原因の1つが「視覚反応」の遅れだ。球種やコースを見分けて対応するには、投手の手元から視点を瞬時に切り替え、飛んでくるボールに正確に焦点を合わせる能力が不可欠となる。
そこで、塩多さんが推奨するのが「前後のサッケード」というトレーニング。サッケードとは眼球の急速な移動という意味で、このトレーニングを通じて視覚反応の向上を図っていく。
練習法は簡単だ。親指を立てた両手を目線の高さで前後に並べ、近い指の爪と遠い指の爪を交互に見ていく。プロ野球や高校野球で選手たちが打席に入る前、ベンチ内で「ビジョントレーニング」として行っている姿を見ることもあるだろう。
目線を飛ばした時にすぐに焦点が合うか。ピントがピタッと合うかが重要になってくる。慣れてきたら、さらに奥へ“3点目”の見る場所を設定すると効果的だ。塩多さんは「例えば家だったら冷蔵庫とか、何でもいいです。向こう側にもう1つ設定して3か所の視点の切り替えができれば」と解説する。
順に見る、1つ飛ばして見るなど様々なパターンにトライすることで奥行きを捉える能力が向上する。このトレーニングを続ければ、投手の手元からボールへの視点移動がスムーズになり、バッティングの質が向上するはずだ。自宅でも手軽に取り組めるトレーニングで打力アップを目指していきたい。
(First-Pitch編集部)
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