フライ捕球が苦手な子どもたちへ…解決策は? 元巨人名手が伝授、“バンザイ防止”ドリル

野球教室で指導をする元巨人・高橋由伸氏【写真:磯田健太郎】
野球教室で指導をする元巨人・高橋由伸氏【写真:磯田健太郎】

高橋由伸氏が子どもたちに伝授したフライ捕球の上達法

「サンリオベースボールアカデミー in ジャイアンツタウンスタジアム」が15日、東京都稲城市で開催された。東京と神奈川、計37チームの女子小学生203人が参加し、プロ野球界のレジェンドが講師として登場。元巨人監督の高橋由伸氏は、外野守備を指導した。現役時代は走攻守三拍子揃ったプレーで活躍し、ゴールデン・グラブ賞を7度受賞した名手が明かしたフライ捕球上達のコツとはーー。

 女子小学生たちを前に高橋氏が説いたのは、外野手の基本である“フライは後ろから”の意識を植え付ける練習法だ。「ワンバウンドしたボールをおへその前で捕ってください! 体に近すぎないように、お腹の前のちょうどいいところで捕ってください」。高く投げ上げたボールを、守備役はワンバウンドするのを待ち、落ちてくるボールをへその前の高さでグラブの捕球面を上に向けてキャッチする。

 高橋氏はその意図について、こう続ける。「どうしてもフライって、顔の前で捕ってすぐ送球しようとしすぎて、打球が頭を越えてしまうことが多いので、まずは(落下地点に)後ろから入って一歩前に出て捕る練習が大事かなと思っています」。小学生によく見られる、フライの落下地点を誤り、両手を“バンザイ”して頭を越されてしまうプレー。それを防ぐのがこの練習法だという。

おへその前での捕球を実演する高橋氏【写真:磯田健太郎】
おへその前での捕球を実演する高橋氏【写真:磯田健太郎】

 もう1つ呼びかけたのは、片手で捕ること。グラブをしていない手の指に当たって怪我するリスクを減らすほか、「両手で待って捕ると体が固まります。まずは力を抜いて捕ることを指導しました」と高橋氏は説明。ワンバウンド捕球を繰り返した後にノーバウンド、通常通りの捕球とステップを上げていっても、ボールが頭上を越えてしまう小学生はほぼ見られなかった。

 18年の現役生活で手にした技術を伝えた後、高橋氏は振り返る。「どうやったら小学生でもプレーのイメージがしやすいのかと考えてメニューを持ってきました。まだこれから色んなことを学んでいかないといけない子たちの指導だったので、考えさせられましたね。すごく勉強になりました」。女子野球の未来を担う子どもたちの成長を願いながら、トレードマークの笑顔を見せた。

(磯田健太郎/Kentaro Isoda)

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